第18回 ウクライナ戦争と国際秩序
【18-1】ウクライナ戦争とはどういう戦争か?内容、各国の思惑、終戦の可能性について【ウクライナ戦争と国際秩序】
ウクライナ戦争のざっくり概要
2022年2月24日にロシアが侵攻を開始(そろそろ2年)
市民の死者 少なくとも9701人(国連・9月24日時点)
世界各地に滞在しているウクライナ難民 628万7500人(UNHCR・11月14日現在)
ウクライナの人口は4400万人
ウクライナ戦争の変遷、NHKさんわかりやすすぎる
今回読んだ本
ウクライナ戦争と米中対立
幻冬舎、2022/9/21
峯村 健司さんがジャーナリストとして、様々な学者に仮説を話しつつ、話を聞きながら総論をまとめいったもの
出てくる学者の方々
小泉 悠
グローバルセキュリティ・宗教 分野
東京大学
鈴木 一人
国際政治経済学、科学技術政策論
東京大学
村野 将
米ハドソン研究所研究員
日米の安全保障政策、核・ミサイル防衛政策、抑止論
小野田 治
日本安全保障戦略研究所(SSRI)上席研究員、元航空自衛隊空将
細谷 雄一
慶應義塾大学法学部教授
国際政治史・イギリス外交史
ウクライナ戦争をどう終わらせるか
東 大作
上智大学グローバル教育センター教授
和平調停、平和構築、国際関係論
カブールで国連アフガニスタン支援ミッションに勤務
ジャーナリストとアカデミズムの分断に架け橋をすることがこの本の目的である
ちょうどアレントで話したところや
今回の戦争はどういうものか?(内容、思惑、終戦可能性)
戦争の始まり
ウクライナとロシアの戦力は実は互角だった。最初はロシア優勢だと思われていた
ロシアは30万人で攻めた
ウクライナは、正規は20万人、国境警備合わせると、30万人いた
それに加えて、戦時中の徴兵をして、70-100万人いる。
ちなみに人口は4400万人
なぜロシアはウクライナ侵攻をしたのか?
特別軍事作戦の目的は、東部をウクライナの迫害から救うことだったはず
ロシアがいうウクライナ侵攻の理由
もともとソ連から独立後もウクライナを支援し続けたはず
NATOは東方拡大をしないと言ってたのにしてきたる
ウクライナ東部のロシア人が迫害されている、非ナチ化と言ってるのはここら辺だと思う
なぜ戦争がここまで長引いているのか?
最初は戦争ではなく、短期間で終わるクリミア侵攻の時と同様の特別軍事作戦の予定だった
ゼレンスキーを捉えて交渉するということ
クリミアも夜中に精鋭部隊を夜に送って、中枢を制圧して、夜明けにはもう終了、という感じだった
ゼレンスキーを捉えれば、ウクライナ国民はひれ伏すと思っていたが、実際はそうではないし、ウクライナが想像以上に強かった
クリミア進行できた時の記憶があったのか、簡単に落とせると思って、全方位から攻めていった
アメリカも1週間しか攻めないと思っていた。アメリカは衛星で何日くらい攻められるかわかっていて、1週間であればキーウを落とすことは無理だとわかっていた。
しかし、短期間で落とせる簡単さではなかった
ロシアの情報機関のトップが戦争開始後1週間で首なされたのをみても、間違った情報を掴まされてた可能性は高い
もちろん、クリミア侵攻後はアメリカがウクライナに防衛のための軍事指導をしたりして、対策をしていた
かといって、じゃあやめ!ができるわけではない
ロシアは出口戦略を持ってないが、何か戦利品を示せないと、政権が成り立たなくなるので、このままでは終われない
ウクライナは9割がどの領土も渡さないと言っていて、終わる気配はない
とはいえ、大変な上に、ロシアの戦略はしょぼかった
ロシア軍は結構腐敗していて、統制が取れてなかったりして見た目より弱かった
ロシアは火力で言えば強かったが、一隊の軍隊の兵士の人数が少なかったりして、ちゃんと落とせずに終わるみたいなことが多い
ロシアの攻撃は民間人を狙ってて、主要な軍事施設を破壊してないので、意味わからなくなってる。(普通は軍事拠点から破壊する)
ロシアには3年の契約兵も多く、海外派遣されない契約の人も行ってたりする
ロシアはソ連崩壊後から腐敗が進みまくっていることも影響している、特に軍。武器の整備も全くできてない、一度はプーチンが思いっきり改革して直したが、また起こっている。それによって装備が古かったりもする
ロシアは情報通信システムを兵士に持たせてないところもあり、特に東部は。スマホでウクライナの回線を使って連絡をとっていた。それを傍受して将軍を殺していた
ロシアが劣勢なの?
ここは情報戦で西側諸国が勝っている、という側面も強い
クリミア半島に繋がる東部に関してはロシアに実際には占領されてるところも多い、それで膠着している
核使用の可能性は?
経済制裁によって追い込まれた時に、ロシアが核をつかって状況を打開しようとする可能性はゼロではない
ロシアはドネツク周辺の新ロシア派が実効支配していた領域の4州をロシアとして新たに認めて、その領土を侵すものに対してはあらゆる手段で抵抗する、と示した
終戦するか?
この戦争はどのタイミングで終わらせられそうか?
ロシアは15%、ウクライナは45%のGDP減少が起きている
ロシアは経済制裁を受けているけど、原油価格の高騰によって逆に2022年は輸出額が増えてたりする
このまま長期戦に持ち込まれたら、ウクライナに勝ち目はない。なんとか立ってられるうちに停戦に持ち込まなくてはならない
ロシアにも5年以内に徴兵を終えた人が200万人いる、戦争状態だとしてそれらの動員を始めたら、ウクライナに勝ち目はない。
ただし、それは国民が認めないので今すぐはできない
ロシア軍が国境近くまで追いやられたら、開始するかもしれない
そのタイミングに合わせてヨーロッパが間に入って停戦に持ち込めるかが鍵になりそうだけど、そこまで器用なことができる人は居なそう
そもそも戦争がどちらかの完全勝利や無条件降伏で終わるケースは少ない(WWII以降は)
ベトナム戦争もアフガン戦争も交渉の末終戦した
終戦を調停する国が必要
おそらく支援している大国であるアメリカと中国がいいだろう
それに加えて、ファシリテーターが必要になる(中東だとトルコが結構やったりする、自国の利益も含めて)
実際の条件にまでは口出ししない
場所の提供とかそういうことをする
そこには日本が入れる余地が大いにある
戦況が膠着して、ロシア国内が揺らいだタイミングなどでうまく停戦に持ち込むのが可能性が高いシナリオ
現実的に早く終わらせるためには、プーチンの顔も立てつつ、どう終わらせるか、ということを考えないといけない
実際に、開戦後1ヶ月で交渉が行われて、トルコが仲裁して進んでいた
ウクライナが、進行前時点まで戻ることを条件に、ドネツクとかクリミアについては話し合うとして、NATOには加盟しないし、核配備もしない、というロシアにとってもかなり好条件のものを提示していた
しかし、ブチャでも民間人殺害によってプーチンが戦争犯罪人と認定されたことで、この話がなくなった
ウクライナ戦争をどういう結論に導くべきか
失敗、政権交代を起こすのが成功
ウクライナ戦争は、ロシアの力による現状変更は失敗だったという結論を導かなければならない。そうすれば中国へも台湾への侵攻を思いとどまらせることができるかもしれない。
クリミア進行は失敗した。ロシアがウクライナの一部をロシアのものにして、経済制裁を受けつつも痛手にならずプーチン政権が続くとなると、失敗になる
戦争が継続するとアメリカが疲弊する
また、このままずるずるウクライナ戦争が続くと、アメリカもそっちにリソースを割かざるを得なくなり、実質的に二正面戦略をやらなくてはならなくなる。
なんとかここでロシアを弱体化させて、アメリカが中国に一正面戦略を取れるようにすることが、今後の国際秩序を考えた時に重要になる
そういう意味では、ウクライナ戦争は日本にとっても重要になる
【18-2】アメリカの戦争抑止は失敗したのか?ロシア侵攻のきっかけとアメリカの国防戦略【ウクライナ戦争と国際秩序】
今回アメリカは軍事介入してないし、今後も相当なことがない限りしないだろう
バイデンはウクライナ侵攻の直前(21年末)に、アメリカは兵を送らないと言ってしまっている。常にバイデンは弱腰外交になってしまっている
それを踏まえてロシアは侵攻したところもある
ウクライナを補助したのは、そもそもそんなつもりはなかったが、アフガニスタンと違って、ゼレンスキーも逃げずに頑張って長引いたので、じゃあこれ以上ロシアを西に行かせないようにサポートするか、ということになったというのが大きいだろう
アメリカの核使用制限の動きを見てロシアは侵攻をした
アメリカの国防として、核の使用を制限しようという左派的な動きがつよまっていた、オバマあたりから
先行使用の拒否や、目的の唯一かなど
実際に新しい弾道ミサイルのシステムよりも、福祉に回そうという動きが強まっていたりする
これを見てロシアは侵攻した面もある
アメリカとより強い関係性を結びたい国が増えてくるはず
ウクライナを見て、アメリカが普通には軍事介入してくれないことがわかり、スイス、フィンランド(加盟)などもNATOへの加盟申請をした
アメリカに守ってもらう約束を作るために。
バイデン政権がウクライナ支援のために、4兆の追加予算を要請した。NATOなら加盟してなくてもこれくらいしてくれるなら、安心というわけ
これによって、アメリカの国際的な地位はより高くなると予想される。
ロシアに守ってもらうよりはアメリカの方がいいと多くの国が考えている
今回、アメリカの抑止は破れられたのか?アメリカの国防戦略を見る
実際に戦争開始の抑止をできなかったという事実はある
これはバイデン政権とインテリジェンスとのすれ違いとの見方もあるが、それだけではない
アメリカの国防政策は中国とロシアのどちらに注力するべきかを選択しなければならず、中国を気にかけていた
ソ連崩壊後は、アメリカ一強だったので、北朝鮮や中東などの小国2つに同時に攻められても勝てるだけの戦略を作ってきた
しかし、2014年のロシアのクリミア侵攻を受け、大国間競争に切り替えた
しかし、ロシアと中国の2カ国を同時に相手できるだけの金はないので、一国だけに絞って、もう一つはこの間は抑止、という戦略に切り替えた
しかし、このもう一つに対するリスクをどう埋めるか、というのが議論されてきた
中国の台湾侵攻に備えて配備するか、ロシアの東欧侵攻に備えて配備するか、のどちらにするべきか、を選ばなければならなかった
アメリカとしては力をつけ続けている中国を特に警戒していたところがある(特に貿易戦争(関税のやり合い)以降)
この状況を利用したロシアはウクライナへ侵攻した
しかし、国際秩序を守るために、現状を力で変更することを許しているわけではなく、それを抑え込むための努力はしている
アメリカの今後の戦略としての統合型抑止
アメリカといえど、リソースは限られているため、いろんなリソースをフル活用して抑止を実現していきたい
陸海空に加えて、サイバー、宇宙、核、非核、時間軸、などの軸がある
将来的な中国の侵攻に対する抑止
戦争を開始させることの抑止は失敗した
しかし、その後もプーチンの意思決定が内部の数人でおこなわれたことなどをインテリジェンスが把握していて、うまく情報を操ることで、現状変更国であるロシアのフェイクニュースが世論を作ることを防いでいる
ウクライナを支持するで世論を作れている
軍事援助もしていて、ロシアとしてもとてもやりにくい。補給路であるNATOのポーランドにも手は出せない
これが中国の台湾有事をしにくくしてる可能性はあることを考えると、時間軸での統合抑止につながっていると言える
アメリカは国際警察という立場を放棄する、とは言っていたものの、全てを放棄するわけではない
アメリカの軍の人が考えた戦略の中に以下のような言葉があるから、国際警察の立場を放棄すると言ってもまだ希望はある
我々は全ての人を苦しみから救うことはできないが、それができないからといって助ける努力をやめるべきではないのだ
【18-3】経済制裁とは?国連はなぜ戦争を解決できないの?戦争における経済と国際連盟の影響力【ウクライナ戦争と国際秩序】
経済制裁とはなんなのか?
対象国に対する輸出入を制限し、必要なエネルギーや物資の供給を停止したり、減らしたりすること
目的は、戦争を継続するコストを上げること
経済が立ち行かなくなることで、国民の不満が溜まっていき、最終的に戦争をやめざるを得なくなったり、政権交代が起こることを期待している
そのため、即効性を期待してはいけない
また、注意しないといけないのは、実際には我慢比べ(双方向的なもの)
もちろん、お互いに輸出入を制限することになる
そのため、自分たちが頼ってる国に対して制裁を課すことはあんまりできない
ロシアに対する経済制裁の効果
ロシアがエネルギーを握っているので、ヨーロッパ、特にドイツは経済制裁をし続けることが厳しい、特に冬。
英米とEUの間には、対ロシアの考えに差があり、足並みが揃ってない
フランスとドイツはなんとか和解の方向を進められないか、検討してる
ドイツはメルケルが原発を廃止したことで、天然ガスの55%をロシアに依存する結果になった
そのため、経済的な効果は薄いと言われている
天然ガスの輸出も多くをインドや中国にしている
ただ、軍事的な設備の不足、球不足、は起こせる。半導体の不足から武器の製造も苦労している
ミサイルを北朝鮮からの輸入に動いたり、洗車や銃が直せない状況だったりする
そう考えると、他国に頼りすぎることの危険性は認識しなければならない
玩具や衣服は他国を頼ってもいいけど、軍民に必要なもの、例えばハイテク製品などは頼りすぎていると、制裁で痛い目にあう、危うく守れなくなる。
難しいのはやっぱり資源、こればっかりはどこでも取れるわけではないからね。
中国はこれをわかっているので、他国の中国への依存度を高めようとしている。
これは企業が認識をしっかりしておく必要がある
ユニクロがウイグルのバリューチェーンに関連している企業としてに取り上げられ、それに対してノーコメント、政治的に中立的な立場です、と言ってしまった
日本企業は、人間に対する感覚がかけている。自分の企業の利益しか考えてない、と捉えられた
日本ではそういうことは政府がやること、という認識が強いけど、国際的にはそうではない。
tanimutomo.icon 黙秘は肯定である、と捉えられる
ここで、人文学が必要になるのでは、、?
国連は意味ないの?
現状国連は何も解決できてない
今回は、常任理事国であるロシアが自ら国連憲章に反する武力侵攻をしたわけだが、ロシアが拒否権を持っている以上、どんな提案や非難をしてもなにも変えられない
これは、冷戦時代も音字で、米ソが互いに拒否権を行使することで、なに解決できなかった
国連とはなんなのか?
国連はただの主権国家の集まりなので、戦争を止める力はない。国連憲章を見ればすぐにわかる イランのクウェート侵攻は違法だったので多国籍軍を送った
拒否権をなくす改革は難しすぎる。拒否権をなくすたまには、まず国連憲章を書き換える必要があり、そのためには常任理事国の承認が必要だが、現時点でロシアが賛成するわけがない。ここにダブルバインドがある。
国連に意味がないわけではない
もちろん何かがそこで決まって問題が解決される可能性はそこまで高くない。しかし、こういう場がなければその可能性がない上に、分断と敵対はより加速していく。そういう意味でほぼ全国家が所属している国連は重要な存在
本当に最低限の合意だけはここでしよう、ということ。
これがない世界は、もっとカオスになる
実際に今回も穀物輸出の合意を取り付けている
小麦の輸出が世界1位と、5位
新たに5000万人が飢餓に直面したと言われている
ロシアとしても、グローバルサウスを敵に回したくない
ウクライナの黒海からの輸出に合意した
これを国連の事務総長が交渉して実現した
【18-4】戦争による中国・日本への影響は?台湾侵攻の可能性と日本の防衛能力について【ウクライナ戦争と国際秩序】
この戦争に対する中国の見方
中国とロシアはお互いに各大国が支配する世界を目指しているから仲間だが、それぞれの台湾やクリミアの話はどうでもいいから同盟国にはならない
むしろ、この戦争に対する中国の気持ちはネガティブ
中国はロシアと共同声明を戦争の数ヶ月前に出して、お互いなんでも援助し合おう、みたいな条項を作ってしまった
これは最悪で、北朝鮮とも結んでて、中国はやめたがっているが、それができてない。それによって北朝鮮のわがままを聞いてる部分がある。
それに加えてロシアも背負わないと行けないのは大変すぎる。ロシアが制裁で疲弊したら助けないといけないからね
ただ、援助しすぎても国際社会から非難されるので、それもまあやりにくい。
そう考えると、この戦争は中国にとっては悩みの種の一つ、みたいになってる可能性が高い
習近平は、憲法改正して大統領の2期10年を、反対を押し切って撤廃したので、悩みの種は邪魔
だからこそ、3期目は結果を残してくれるんだろうな、という圧力がすごい
中国の今回の戦争の狙いどころはおそらく、ロシアとアメリカが両方摩耗して、相対的に中国の国際社会での力が増すこと
イギリスは悪魔を倒すためには悪魔の力を借りなければならない、と言って、ナチスドイツを打つために、ソ連と手を組んだ
すると、両方疲弊するので、戦後の秩序は英米で主導で切ると思っていた
同じことを中国はやろうとしている可能性が高い
最後に戦争の朝廷なんてできたら最高
台湾侵攻の可能性
台湾も含めた新たな戦争の可能性
戦争は想定してない、やっちゃった的なものから始まる。第一次世界大戦も開国の時もそう。台湾有事も可能性がある以上、どうなるかわからない。
中国が台湾侵攻をした際の経済制裁はどこまで足並み揃えられるか、は難しい
経済制裁は経済的な依存度が高ければ我慢比べになる
ロシアより中国に依存してる国は多いので、どこまで効果を持つかはわからない
日本においても、相当苦しくなるだろう
中国には台湾侵攻をできるだけの力が十分にある
台湾侵攻は中国の海での脳力が低いという話をするが、旅客船は世界一になっているので、しかも軍事利用できる形で作ってるので、安心はできない
台湾侵攻に対して、アメリカと中国では距離が全く違う。中国は台湾周辺を完全に守り固めることができてしまう。今の中距離弾道ミサイルによって。それに対して、中国本土の航空施設を破壊できるほど十分な軍備には日本を含めた周辺地域には存在しない。
初期段階で飛行機を配備する航空優位性の獲得ができなかったら、相手の航空基地や防空システムを最初に遠距離ミサイルで破壊することが次に重要になる
しかし、インド太平洋地域には、そのような軍備管理条約がないため、中国は作っている
このまま行くと、中国の軍事力は圧倒的になる
これは圧倒的な危機であり、この軍事的な劣勢がこちらが核を使う誘惑を増加させるところはある。中国は核がなくても余裕で攻められる。
日本の防衛
日本も防衛能力を強化しなければならない
日本は守るためには、中距離弾道ミサイル?が必要
初戦での中国のミサイルを防ぐことは無理、そうなると、中国がその後に航空機で支配してくることを防ぐ必要がある
それが唯一の日本の道
となると、中国を狙えるだけの飛距離を持って、中国の航空施設を破壊できる火力が必要
自衛隊は短距離ミサイルを500くらいは作ろうとしているが、それでは足りない、どうそこを作るか
アメリカと中国は冷戦状態とも言える
今の状態を冷戦というと、イデオロギー対立がないだろう、という反論があるが、ないことはないし、なくても起こる
今の中国とロシアは国家資本主義体制であり、自由資本主義とは異なる。
また習近平はマルクス主義を復活させようとさえしている。
これがなくてもお互いの勢力圏のぶつかりで経済ベースで起こることはある
ASEAN諸国が次の舞台、アフリカは不安定
南シナ海のEEZに対する日本の外交は失敗した
サラミスライス戦略で、気づいたら現状変更されてた、ということは容易に起こりうる
日本が警戒するべきこと
日本の大企業が中国と共同開発をしたり、依存を高めたりすると、戦争状態になった時に、どうなるかわからない。そこらへんを大企業であるトヨタとかは考えないといけない、特にAIとか。
これが経済安全保障
これ法律として制定されたんだ。
日本の技術の中には、中国と共同研究しているもので、アメリカの軍事に利用しているものもある。そうなると、アメリカのサプライチェーンから外される可能性もある
中国からの依存を高めることで抑止になるという可能性はなくはないが、体力を考えると、中国が有利だろう
安全保障より経済が大事、というのは、別物として考えすぎている
ちなみに、中国が攻めてきた時に、1ヶ月は自国で耐えられるだけの防衛能力は必要で、そのために防衛費を2%まで上げるという議論がされてる
【18-5】ウクライナ戦争後の時代。今後世界はどこへ向かうのか?国際秩序と日本の役割【ウクライナ戦争と国際秩序】
今後の国際秩序と、日本の役割
この戦争によって大国主義の兆候が出始めると、軍備を全体的に拡張するようになり、国際秩序が崩れ、パワーポリティクスの時代になる
すでに、欧米中心に作ってきてたルールに基づく国際秩序が崩れつつある
そうすると赤裸々なパワーポリティクスが国際政治の原理として明瞭になってくる
そうなると世界的に自国を守るために、軍拡がおこる
技術競争と軍拡が連動していく
実際に、
ドイツと日本は軍事費をGDP比2%の2倍に引き上げようとしている
中国もこのまま続ける
これが続くと、20-30年で、大国主導のパワーポリティクスの時代になる
そうすると、国連安保理が平和を維持する組織としての機能を失い始める
すると各国が、自国を守るために同盟が重要になってくる
国家の安全を守る手段は以下(福祉の自助、共助、公助、みたいなもんやな)
自衛
集団的自衛、同盟
集団安全保障としての国連
それがあるからこそ、スウェーデンとフィンランドはNATO加盟を申請した
もちろんNATO加盟することで、バランスが崩れる可能性はあるが、自国の方が大事
いろんな民主主義連合が大きくなってくだろう
一方で、ロシアや中国のような権威主義体制の国は、軍事による圧力と経済インセンティブで、提携による利益をアピールする
残念ながら、国際社会においては価値の共有や正義感よりも、軍事の恐怖や経済的な利益の方が国家の行動を決めるインセンティブとしては強いので、そちらの勢力が強くなることは避けられない
重要なのはグローバルサウスをパワーポリティクスの論理に飲み込ませないこと
ロシアや中国の影響力が大きくなると、今は中立であり今後の市場、経済的に成長していく国々とも言われるアフリカ、東南アジア、南米、がそっちに行ってしまう可能性がある
ソ連の大学に留学していた東南アジアの国々の官僚もいたりする
実際、G7のGDPに占める割合は、1980年代後半は7割弱から、2014年には4割強程度まで減っている
そうすると、国連での欧米諸国の発言が、メリットも明示的にもたらしてくれない金持ちの白人の話、になってしまって、受け入れられなくなるかもしれない
アングロサクソン、英米豪によるAUKUSという安全保障の枠組みなどもあり、欧米が孤立してしまう可能性もある そうすると、国際社会全体が19世紀的な国際秩序に回帰してしまう
いま、欧米諸国がウクライナに支援してるのは、そのようなジャングルを避けるためでもある
ロシアと中国にこれをやっていいという既成事実を作らせないため
このパワーポリティクスへの動きを加速させないための日本の役割
民主主義国であるG7の結束力を高めること
欧米が孤立しないようにもしつつ、民主主義国の連帯を強めて、グローバスサウス含めた国際社会に対する影響力を強めていくことが必要
グローバルサウスが過度に中露に傾斜しないように影響を与えること
日本は欧米でないのに民主主義を実現しているという点で、他の国には受け入れやすいはず
日本は自民党一党独裁になってるため、民主主義ではないという意見もあるが、正義より妥協的な秩序を優先して、民主主義体制を維持しているという点で、他の国の参考になるはず
欧米のような正義重視ではないところが東南アジアには受けるはず
しかし、日本は経済的なパワーを維持してないと説得力を失うことになるので、その点は頑張らないといけない
日本人がまず戦うべきは、自身の内にある過剰な相対主義?
ロシアを擁護すれば憲法を考えてないし、中国の現状変更に対してもそれをやらないといけなくなる
憲法の全文にその責任を自分たちで示している
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日本は戦争になった時に自国を守るために戦うか、のアンケートで戦うと答えた人が13%と、全世界で最低だった
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中国は日本に戦わずして負けるための情報工作を狙っている
中国が憲法九条の改正に強く反対してるのは、その側面が大きい
日本のメリット
パワーポリティクスの世界における軍事大国は国際法に頼らなくても問題を解決できる。日本も戦前はそうだった。
日本は圧倒的に弱い、弱い国は国際秩序に守ってもらうしかない。日本も戦後それを選択した。
その中で国を守るためにも、国際秩序を無視してニヒリズムに落ちてしまっては、なにもできなくなる
パワーポリティクスの時代なのだから、大国ロシアがウクライナ侵攻するのも仕方ない部分がある、と言ってしまっては、自国すら守れないことを認識するべき。
日本を守るためにもロシア侵攻は非難するべき対象なのである
国と一人一人の国民は別だよ