ひび割れ
コンクリート構造体のひび割れには、
①外力により生じるひび割れ、
②変形の拘束により生じるひび割れ、
③コンクリート内部の膨張圧により生じるひび割れ、
④その他のひび割れがある。
①外力により生じるひび割れ
・曲げひび割れ:モーメントの外力がかかり発生するひび割れ
・せん断ひび割れ:せん断の外力がかかり発生するひび割れ
②変形の拘束により生じるひび割れ
コンクリートは時間の経過に伴って乾燥により収縮する。
乾燥収縮はコンクリート中のセメントペーストが乾燥することにより収縮するもので、この収縮が何らかの拘束を受けるとひび割れが発生する。 温度ひび割れ
コンクリートは打設後、セメントの水和作用に伴う発熱によってコンクリート温度が上昇し、その値は数日で最大となり、その後放熱によって除々に外気温程度まで降下する。
この過程において、1) コンクリート表面と内部との温度差による拘束(内部拘束)、2) コンクリートが温度降下する際に地盤や既設コンクリートによって受ける拘束(外部拘束)などにより部材には温度応力が発生する。
この時の応力がコンクリートの引張強度より大きくなるとひび割れが発生する。
③コンクリート内部の膨張圧により生じるひび割れ
塩害
コンクリートに侵入した塩分中の塩化物イオンが鉄筋を腐食させ、膨張が生じる。鉄筋の膨張に伴い、コンクリートに引っ張り力がはたらき、ひび割れを生じる。
凍害
コンクリート温度が-2℃程度になると内在する水分は凍結し9%膨張する。この膨張圧によりコンクリートの組織が破壊されるとひび割れが発生する。
コンクリートにおける劣化現象の一つである。コンクリートに含まれるアルカリ性の水溶液が骨材(砂利や砂)の特定成分と反応し、異常膨張やそれに伴うひび割れなどを引き起こす。
④その他のひび割れ
プラスチックひび割れ
打込み後、まだコンクリートが充分に硬化していないプラスチック(可塑的)な状態でコンクリートの表面が乾燥するとセメント分が収縮して表面に不規則なひび割れが発生することがある。
沈降ひび割れ
コンクリートは打設直後からブリージングが上昇し、それに伴いコンクリートは沈降する。この時に鉄筋や型枠形状などにより沈降が拘束されると沈降ひび割れが発生する。
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