学力調査を分析する
設題
2.質問紙結果にみる算数・数学に対する児童生徒の状況をしめせ
「(27)数学の勉強は好きですか」という項目に関して3+4が42.8%であること(全国の3+4は46.1%で東京の方が少し低い)から教室内に数学に対して好きでない気持ちを持っている人が4割いることが分かる。
「(28)数学の勉強は大切だと思いますか」という項目に関して、3+4が17.7%であること(全国の3+4は16.3%で同じくらいの比率)から教室内に数学の勉強に対して大切さを感じていない人が一定数いることが分かる。
「(29)数学の授業の内容はよく分かりますか」という項目に関して、3+4が27.4%であること(全国の3+4は28.8%で同じくらいの比率)から教室内に数学の授業に対してついていけていない人が3割近くいることが分かる。
「(30)数学ができるようになりたいと思いますか」という項目に関して、1+2が92.2%であること(全国の1+2は92.5%で同じくらいの比率)から9割の生徒が数学ができるようになりたいという気持ちを持っていながら、(29)という現状がある。
「(32)数学の授業で学習したことを普段の生活の中で活用できないか考えますか」という項目に関して、3+4が62.0%であること(全国の3+4は61.1%で同じくらいの比率)から、日常生活において数学を活用しようという習慣がついていない生徒が6割いるということが分かる。
「(33)数学の授業で学習したことは,将来,社会に出たときに役に立つと思いますか」という項目に関して、3+4が62.0%であること(全国の3+4は61.1%で同じくらいの比率)から(32)と関連して、数学の有用性を感じている生徒が6割いるということが分かる。
「(31) 数学の問題の解き方が分からないときは,諦めずにいろいろな方法を考えますか」という項目に関して1を選ぶ割合は28.5(全国29.1)で粘り強く数学に取り組む姿勢を身につかせる必要性がある。(37)において1を選ぶ割合は56.9であったので、テストという外的圧力がなくとも、諦めずに問題解決に取り組むことができるように指導する必要がある。
「(34)数学の授業で問題を解くとき,もっと簡単に解く方法がないか考えますか」という項目に関して、3+4が31.1%であること(全国の3+4は30.6%で同じくらいの比率)から方針を複数立てて、より簡潔に労力を少なく問題を解く意義について実感がない人が3割いることが分かる。
「(35)数学の授業で公式やきまりを習うとき,その根拠を理解するようにしていますか」という項目に関して、3+4が29.1%であること(全国の3+4は29.6%で同じくらいの比率)から3割近くの生徒が根拠を理解することの意義に対して実感が薄いことが分かる。
3. .質問紙にみられる課題を踏まえて、算数・数学の教材研究及び指導のあり方について考察せよ
(27)の好きという気持ちは、持続的に学習する動機付けにもなる。好きという気持ちを持たせるためには、生徒のニーズに応じた様々な指導アプローチが想定される。
具体的には(29)の数学の授業が理解できるという感覚を与えるような指導、(30)の数学ができるようになりたいと思うようになれば、学習時間が増えたり、(31)のように諦めずに問題に取り組めるようになると推測される。(34)のような別解を考える習慣や(35)のような根拠を理解しようとする姿勢も(30)と関連するものである。
(33)のような将来のキャリアや学習との関連で数学の有用性を考えられるような題材を授業で取り入れたりすることもよいが個々のニーズに合わせるのは大変そうなので例えば、wiki形式で各職業の人にどう数学と付き合っているのかを書き込んでもらったりオンライン勉強会で、数学の先生と各業種の人とで数学の授業をして配信するというような学外における活動で補完する方が理に適っていると思った。(32)のような日常生活へ活かす視点も分野横断的で学校教育の現場で行うのは生徒の理解度の観点でも難しいのではないかと考える。(34)(35)に関しては覚えやすくて別解がたくさん作れて、本質を理解しやすいような問題などを授業で単元を越えて繰り返し扱うというような授業をすると、実感を持つことができるかもしれない。一般化や拡張の視点をもってそういった教材研究に努めることで、授業においても生徒の発見を活かすことに繋げることができるのではないか。
参考文献
数学は役に立つのかwiki(今回のレポートに示唆を受けて試作してみた)
1.質問紙結果にみる算数・数学に対する児童生徒の状況をしめせ
平成30年度 全国学力・学習状況調査 調査結果資料 【都道府県別】
(27) 数学の勉強は好きですか
選択肢 1 と2 の合計が57.2、全国平均の1 と2 の合計が53.9で、若干数学に対して好きだと思う人の割合が多い。統計的に半分を越える人が数学に対して好きだという気持ちがある。
3と4の合計が42.8 (全国は46.1)どらかといえば,当てはまらないと 当てはまらない と思っている生徒が4割いるということで、彼らが好きになるためにどう工夫していくか
(28) 数学の勉強は大切だと思いますか 選択肢 1 2 3 4
(29) 数学の授業の内容はよく分かりますか 選択肢 1 2 3 4
(30) 数学ができるようになりたいと思いますか
(31) 数学の問題の解き方が分からないときは,諦めずにいろいろな方法を考えますか
(32) 数学の授業で学習したことを普段の生活の中で活用できないか考えますか
(33) 数学の授業で学習したことは,将来,社会に出たときに役に立つと思いますか
(34) 数学の授業で問題を解くとき,もっと簡単に解く方法がないか考えますか
(35) 数学の授業で公式やきまりを習うとき,その根拠を理解するようにしていますか
(36) 数学の授業で問題の解き方や考え方が分かるようにノートに書いていますか
(37) 今回の数学の問題について,解答を言葉や数,式を使って説明する問題がありましたが,それらの問題で 最後まで解答を書こうと努力しましたか
2.質問紙にみられる課題を踏まえて、算数・数学の教材研究及び指導のあり方について考察せよ
下書き
TIMSS調査への感想
算数小4 予想 5番
数学中2 予想 30番
算数の勉強楽しい 2割 数学の勉強楽しい 1割
将来
国際数学・理科教育動向調査の 2011 年調査 - 国立教育政策研究所
数学が学びたくなる工夫
数学の面白い参考書がやりたくて、浪人生をやってたので、数学を学ぶのに重要なのは面白い問題、それをやる時間の確保だと思っていた。
同じ課題でも、かかる時間が違う。ただ、賢い人なら、同じ問題を色々な角度から解けば、その構造を明らかにすることに貢献するかもしれない。
プログラミングとセットで考えていく
中学生レベルの問題だと、問題を入力すれば、解答プロセスまで生成できるアプリなども作られている。高校以上で扱われる問題であっても、適切に問題を入力していけば答えを導出することが可能である。ブラックボックス部分の考察こそ重要なのではないか。
めげてしまうこと。SNSなどで、同じような年齢同士の人がどんなレベルの数学をやっているか可視化されてしまう時代において、学校教育では、同じ問題、課題を与えて、それを協力して解いていくといった学習方法が導入されて、自分がやるべきだと思っていることができずに、同じクラスの人の「できなさ」のせいで足を引っ張られてしまって焦るなんてことが起きてくる。
統計学の基本も忘れていて、注意すべき観点なんだろうとか思ってる(恥かしい)。
熟達者は、自分の数学を解いてるプロセスに関して、よく理解しているとは限らないという研究がある。教え合うという観点で、この研究は別の負荷を生徒に与えることを示唆する(たとえば、数学に関して成績がよいものが、教えるという行為に対しても同じだけの成果を出すとは限らない)。
こういう調査をみてると、長期的に大人になっても、数学に対してどういう向き合い方をするようになって、それはいつの勉強が影響しているのかみたいな観点こそ重要なのではないかという気がするのだが。
SICPとか、プログラミングにおけるアルゴリズムの学習でも数学や物理の知識が求められることがあって、当たり前に数学を学んできた前提で、
ふるいとしての数学教育の側面が大きいのだから、そういう側面を自覚して向き合うのとそうでないのとでは数学に対する感じ方が違ってくるのではないか。
協力したら学習が進むというエビデンスがあるのだろうか。それならば、なぜ教員たちは協力して学び合おうとしないのだろうか。
自由に興味関心に基づいて勉強する(趣味)のと、職業として成果を重視して勉強する(実用)のとでは、学習の対象範囲が変わって来る。
数学は役に立つのかwiki