Nash & Senゼミノートー>中原トポ ノート
2019/9/12(記入:mymtk.icon)
Chapter 1
1.1イントロ
トポロジーはユークリッド幾何の一般化と考えられる。また連続性を研究するための自然な枠組みと考えられる。
丸三角四角を同一の対象と考えることで、ユークリッド幾何を一般化する。
連続的な操作の中では穴の空いた形(トーラス)と、丸とか三角とは同じとはみなされない。
Example1 Cauchy's residue theorem
有理型関数f(z)の積分を経路$ \Gamma_1の上で考える(始点をa、終点をbとする)。その積分を$ Iとすると、$ I=\int_{\Gamma_1}f(z)dzと書く。
このとき経路$ \Gamma_1を連続的に、別の経路$ \Gamma_2に変形することを考える(始点と終点は変えない)。ただしf(z)はこの変形の中で極を持たないとする。
コーシーの定理は積分での経路を$ \Gamma_2に変えてもIは変わらないと主張する。
$ \int_{\Gamma_1}f(z)dz=\int_{\Gamma_2}f(z)dz
今、\Gamma_1を通って\Gamma_2を繋げた閉経路Cを考える。コーシーの定理より、
$ \int_{C}f(z)dz=\int_{\Gamma_1^{-1}}f(z)dz+\int_{\Gamma_2}f(z)dz=0
経路を変えたときf(z)の極を跨いだ場合を考える、すなわちCの内側に曲があるとき。その曲の周りを囲む微小な円を考え、Cとつなぐ(図を参照)。それを新しい経路として、コーシーの定理を使うことで
$ \int_{\Gamma_1^{-1}}f(z)dz+\int_{\Gamma_2}f(z)dz-\int_{C_\epsilon}f(z)dz=0
$ \iff \int_{\Gamma_2}f(z)dz=\int_{\Gamma_1}f(z)dz+\int_{C_\epsilon}f(z)dz
$ \iff \int_{\Gamma_2}f(z)dz=\int_{\Gamma_1}f(z)dz+2\pi i Res
つまり極の数のみが関係していて、Cの形には関係がない。という意味でトポロジー的?
example2 The fundamental theorem pf algebra
コーシーの定理より
$ \frac{1}{2\pi i}\int_C\frac{f'(z)}{f(z)}dz = n_0 - n_p
ここでn0はゼロ点の数、npは極の数
f(z)としてq次の多項式$ Q(z) = a_qz^q + a_{q-1}z^{q-1} +...+a_1z+a_0を考える。
すると$ \frac{1}{2\pi i} \int_C \frac{Q'(z)}{Q(z)}dz=n_0
これをn0が$ a_{q-1},...,a_0というq-1個の引数を持つ連続関数としてかけたとみなす。自由度が一つ減ったのは$ Q(z)=0という条件が一つあるため(たぶん)
n0は整数のみをとるので、$ (a_{q-1},...,a_0)たちの連続変形では別の整数に移れない。すなわち、
$ a^\epsilon_i = \epsilon a_i \quad (i=0,...,q-1)とすると、$ n_o(a^\epsilon_0,...,a^\epsilon_{q-1})=n_0(a_o,...a_{q-1}).
これよりε=0とすれば、上の積分は簡単になり、その計算の結果として、$ q=n_0が得られる。(q=2などで試してみると良い)
example3 Fixed points and their applications
集合Xから自分自身への写像fを考える。
f(z) = z + Q(z)とする。Qは上で出たQ。
不動点を$ f(z) = zとなるzとして定義する。
不動点の存在と代数学の基本定理の関係を見る。
一変数関数の場合、開区間(a,b)からそれ自身への写像は、どんなものでもy=xとの交点をもつ(図を参照)。よって不動点が存在する。
二変数関数の場合、円盤B^2からそれ自身への写像
1.2 Basic topological notations
トポロジーを学ぶ上でホモロジー、ホモトピー、コホモロジー、ファイバー束などを学ぶ必要がある。
【定義】位相空間
集合$ Xと$ Xの族$ Y=$ X_aについて、以下を満たすならば$ Xと$ Yは位相空間をなす。
$ Φ \in Y,X \in Y
$ X_aの有限または無限の部分族$ Z_aが$ \cup Z_a \in Y
$ X_aの有限の部分族$ Z_{a1},Z_{a2},,,Z_{an}が$ \cap Z_{ai} \in Y
Xをトポロジカル空間、Xaを開集合という
例)各自解いてみるとよい
a)Xは集合、YはXのすべての部分集合の系とする。
集合$ 2^Xは上記の定義を満たし、Xの離散位相空間という。
b)Xは任意の集合、Y = {Φ、X} として、これは定義を満たす。
c)X=ℝ,XaはRの部分集合で以下を満たす。
as $ x \in X_{a} ,xを含む開区間(a,b)が存在する。
つまるところ(a,b)$ \in X_{a}
なぜ開集合は有限の共通集合下だけでなく、無限の和集合の中で開かれたままなのか?
上記の抽象的な定義は先の連続的変形の直観的議論と何の関係があるのか?
->上記の定義は過去様々な数学の試みの末に得られた定義
位相空間の定義は連続関数の定義を与えることに用いられた。
定義
関数f:位相空間X → 位相空間 Y への写像、その開集合Yの逆像がXの開集合ならばfは連続という。
この定義において何故開集合の逆像が開集合であることを主張しているのか。その逆ではダメではないのか?
つまりfの連続性を、fがXの開集合をYの開集合に移すのがもっとも簡単で自然でないか?
なぜ開集合の無限個の交わりが開集合でないのか?
→このように定義すると大部分の位相空間は役に立たないものになってしまう。
Ex)ℝに対する通常の位相を無限個の交わりをとっても開集合が開集合のままであるとする。
すべての実数xは開集合となり、和の公理から任意のℝの部分集合も開集合となる。
$ x \in Xとして開集合$ X_αを
$ X_1 = (x - 1, x + 1),$ X_2 = (x - \frac{1}{2}, x + \frac{1}{2}),$ X_3 = (x - \frac{1}{3}, x + \frac{1}{3}) .........とするとすべての$ X_αの交わりは一点xだけとなる。つまり$ \cap_{α=1}^\infty X_{α} = x
あまり厳しい条件を課すとℝの離散位相に帰着してしまった。離散位相はℝのすべての部分集合が開集合であるためにℝからℝへの写像で連続となるため連続性を調べるのには不適である。(ここではあまり広い連続性の定義を求めてはいない。)
Xに対する離散位相と密着位相(自明な位相)について考える。
離散位相はXに与えうる最も広い(大きい)位相である。(大きいとは開集合の数を表す)
自明な位相はXに与えうる最も小さい位相である。
この2つの極限を考え、Xに対する位相を比べるという概念が出てくる。
Xの一つの位相を定義している開集合が、Xの他の位相を定義している開集合に完全に含まれているとする。
$ T_1={X},$ T_2={X'}をXの二つの位相$ T_1,$ T_2を定義している開集合とする。
もし、$ T_1 \supset T_2ならば 位相$ T_1は位相$ T_2より大きい、言い換えると$ T_2の開集合は$ T_1の開集合にもなっているが、逆はない。この状況を$ T_1は$ T_2より細かいという。さらに別の言い方として、$ T_1は$ T_2より強いともいう。
以上「大きい」「細かい」「強い」の反対の用語として「小さい」「荒い」「弱い」が与えられる。
位相$ T_1と$ T_2が$ T_1 \supset T_2でも$ T_1 \subset T_2でもないとき二つは比べられないという。
2019/9/26
近傍と閉集合
近傍
[定義]集合Xに位相Tが与えられてるとする。NをXの部分集合とする。このとき、開集合X_alphaにある$ x\in Xが属しており、かつ、NがX_alphaを含んでいる場合、Nはxの近傍(Neighbourhood)という。
Nは開集合である必要がないことに注意(開近傍ならばNも開集合)
開集合X_alphaは自分自身を含んでいるので、X_alpha自身は近傍である。
例:実数直線$ R 閉区間には開区間が伴うので。
閉集合
[定義]位相Tの定まった集合Xを考える。任意の部分集合Uについて、補集合X-Uが開集合であるとき、Uは閉集合であるという。
この定義より全体Xと空集合phiは閉集合でありかつ開集合である。
集合の閉包
[定義]ある集合Uを取ったとき、Uを含む閉集合の族を$ {F_\alpha}と書く。$ {F_\alpha}に属するすべての集合の交わり$ \cap_\alpha F_\alphaを集合の閉包という。
直感的には、閉包はUを含む最小の閉集合である、と理解できる。(図を描いてみよ)
例:実数直線について、無限大を含まない任意の開区間(a,b)に対して、閉包は閉区間[a,b]になる。
つまり、閉包を取るとは、は任意の集合から閉集合を作る操作である。
閉集合の閉包は、元の閉集合である。
境界と内部
[定義]ある集合Uの内部$ U^0とは、Uに含まれるすべての開集合からなる族$ \{O_\alpha\}に含まれるすべての集合の和集合である。すなわち、$ U^0=\cup_\alpha O_\alpha
[定義]ある集合Uの境界b(U)とは、Uの閉包におけるUの内部$ U^0の補集合である。すなわち$ b(U)=\bar{U}-U^0
次のことが成立する
$ U\cap b(U) = \phi \rightarrow Uisopen
$ b(U)\subset U \rightarrow Uisclose
コンパクト性
[定義]ある集合Uに関して、ある族$ F=\{F_\alpha\}が与えられていて、かつ$ \cup_\alpha^{\infty} F_\alphaがUを含んでいるとき、FをUの被覆という。
[定義]ある集合Uがコンパクトであるとは、$ \cup_\alpha^{\infty} F_\alpha \supset Uを満たすどの開被覆$ \{F_\alpha\}に対しても、$ F_1\cup F_2\cup .. \cup F_n=\cup_\alpha^{n} F_\alpha \supset Uを満たすような、Uの有限個の部分被覆$ \{F_1,F_2,...,F_n\}が存在するということである。
直感的にはコンパクトな集合は有限でなくてはならない。
さらにXが$ R^nの部分集合であれば、Xが閉かつ有界であればコンパクトであると見て良い。
言い換えるとXが開であるという性質があると、Xがコンパクトである性質を妨げてしまう。
連結性
<定義>ある集合Xが、$ X_1 \cap X_2=\phiである開集合X_1,X_2を用いて$ X=X_1\cup X_2とかけない場合にXは連結であるという。(直感的すぎない?)
<例>一点以上を含むR^n中の離散集合は非連結である。有理数全体Qは無理数によって穴あきになっているので非連結である。閉区間[a,b]in Rは連結である。
<定義、「集合・論理と位相」より>ある集合Xについて、Xが二つの集合に分割できないとき、Xは連結であるという。
<例>
1.3 Homeomorphisms, Homotopy, and The Idea of Topological Invariants
トポロジーのメインのアイデアは、別の空間に連続的に変形できる空間の研究である。
同相写像の導入によってこのアイデアの数学的実体が与えられる。
<定義>位相空間T_1、T_2に対して写像$ \alphaを考える。$ \alphaが同相写像であるとは、$ \alphaが連続であり、かつ、連続な逆写像$ \alpha^{-1}が存在することである。
定義より、$ \alpha^{-1}もまた同相写像である。このときT_1, T_2は互いに同相であるという。
<Remark>同相写像は同値関係である:
位相空間T_1,T_2,T_3について、T_1とT_2が同相であり、かつT_2とT_3が同相であるならば、T_1とT_3は同相である。(同相写像を合成すればいい)(推移律)
対照律と反射律は自明。
よってすべての位相空間はこの同値関係で分類可能である。
<例>同値類
集合Xを平面内のすべての長方形の集合、同値関係を同じ面積をもつこととすると、面積の大きさでXを分類できる。
空間(以後位相空間を単に空間という)X,Yの間に二つの連続写像$ \alpha_1,\alpha_2を考える(逆写像の存在すなわち同相写像であることは要請しない)。
<定義>$ \alpha_1が連続的に$ \alpha_2に移り変われるとき、$ \alpha_1は$ \alpha_2にホモトープであるという。
数学的には連続写像$ F:X\times[ 0,1] \rightarrow Y が存在し、$ \forall x\in X,\quad F(x,0)=\alpha_1\quad and\quad F(x,1)=\alpha_2を満たすとき、$ \alpha_1は$ \alpha_2にホモトープであるという。
1.4 Topological invariance of compactness and connectedness
1,コンパクト性における位相不変性
Xを位相空間、fをXからYへの同相写像とする。 $ f:X \rightarrow Y
{$ F_{\alpha}}はYの開被覆の族とする。
fは連続写像なので、逆写像$ f^{-1} (F_{\alpha})はXの開集合。また、fは可逆なので$ \cup_{\alpha}f^{-1}(F_{\alpha})はXの開被覆となる。
Xはコンパクトを仮定してるので、$ \exist n,X \subset \cup_{\alpha = 1}^{n}f^{-1}(F_{\alpha}) \Rightarrow Y \subset \cup_{\alpha = 1}^{m?}(F_{\alpha}) となるのでは?つまり、$ f^{-1}(F_{\alpha}はYの有限個の部分被覆でもあり、Yもコンパクトにならなければならない。
2、連結性における位相不変性
Xを連結性のある位相空間、$ \alphaをXからYへの同相写像とする。 $ \alpha:X \rightarrow Y
Yは連結性がないとする。
$ Y = Y_{1} \cup Y_{2} ,Y_{1} \cap Y_{2} = \phi , Y_{1},Y_{2} open
$ \alphaは連続なので、$ \alpha ^{-1}(Y_{1}),\alpha ^{-1}(Y_{2})はXで開となる。
ゆえに$ X = \alpha ^{-1}(Y_{1})\cup \alpha ^{-1}(Y_{2})
しかしXはconnectedなので矛盾する。よってYもconnected。
1.5 invariance of the dimension of $ \R ^{n}
仮定:同相写像$ \alpha:$ \R \rightarrow \R ^{2}が存在する。
$ \R ^{2}を平面、$ \Rを軸の一つとする。
$ \Rより原点を取り除くと$ \Rはdiconnectedになるが、$ \R ^{2}はそうはならない。
$ \hat{\R} :$ \R- \{ 0 \};disconnected $ \hat{\R} ^{2}:$ \R^{2}- \{ 0,0 \};connected とするとこれは同相でない。
$ \alphaを$ \R- \{ 0 \}に制限すれば$ \hat{\R}と$ \hat{\R} ^{2}は同相であり上と矛盾する。
したがって$ \alpha は存在しない。
仮定:同相写像$ \alpha:$ \R ^{2} \rightarrow \R ^{3}が存在する。
$ \hat{\R} ^{2}:$ \R^{2}- \{ 0,0 \} , $ \hat{\R} ^{3}:$ \R^{3}- \alpha \{( 0,0 )\} を考える。
円盤$ C = \{x^2 + y^2 = r^2 \}について $ r \rightarrow 0を考えると、$ \R ^{3}ではC は{0,0,0}となる($ \alpha(0,0)を避けるように変形)が、$ \R ^{2}では(0,0)を避けられない。
明らかに同相写像の関係が破綻している。
同様のプロセスで$ \R ^{n}も示すことができる。
circle S' を連続的に一点収束できるような空間を単連結という。
Relative topology の類似が$ \alphaの制限
可微分多様体でも次元は位相不変である。
$ \large{中原トポロジー3章ホモロジー群}
ホモロジー群はオイラー票数の精密化にあたある.
境界をもt内領域でそれ自身いかなる領域の境界にもなっていないような領域を見いだせ というが数学的にはホモロジー理論として清吉化される.
3.1 Abel群
ほっもろじー軍の基礎となる数学的構造は有限生成Abel群.
3.1.1 群論の初歩
$ G_{1},G_{2}をAbel群とする.
準道警写像:$ f(x+y)->f(x)+f(y)
fが全単射なら同型写像.
例として $ f(2n)=0,f(2n+1)=1として定義される写像$ Z_{2}=\{0,1\}.計算してみるとよい.
さらにぶっぶんぐん$ H \subset Gが群Gの演算に関して群をなすとき,HをGの部分群という.
部分群として $ kZ = \{kn|n \in Z \},k \in NはZの部分群であるが,$ Z_{2}はそうではない.
HをGの部分具とすると$ x,y \in Gが同値であるとは,$ x-y \in Hであることをいうこれをx~yとかく.
~による同値類[x ] $ \in G/H
G/HにはGの演算+より $ [x]+[y] =[x+y] *左辺の演算はG/Hについての演算,右辺の+はGの演算であることに注意.
G/Hの+は大氷原の選び方によらない.$ \{a\in G | a ~ x\}\cup\{a\in G|a ~ y\} = \{a\in G|a~(x+y)\}
HはGの正規部分群(不変部分群)なのでG/Hはこの演算が成り立つ.
G/Hの単位減は$ [0]=[h], h \in H .
もしH=Gならば任意の言$ x \in G に対して$ 0-x \in G]だから,G/G=[ [0] =G となる.
H=$ [0]ならば$ x-y=0,,,x=yなのでG/HはぐんGそのもである.
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