自己洞察
洞察とは心理療法の過程において、クライアントが自分自身や現実について気づき、理解しなおすことである。
行動療法以外の一般の心理療法では、悩み(症状・問題)だけに注目するのではなく、その背景へと視野を拡大していき、情動性を伴うなんらかの新しい事実の 認知、つまり洞察を得ようとするのである。
この洞察には知的洞察と情動的洞察などがあるとされている。
単なる知的洞察は抵抗や知性化の一種と考えられているが、それはクライアントがまだ問題に取り組む準備ができていないという防衛的な機制であり、その意味 を尊重しなくてはならない。
そして真の治療的・効果的な洞察は生き生きとした情緒体験を伴う、「情動的洞察」でなけらばならない。
(身体全体から「ああ、そうか。分かった!」という直感的な体験的洞察もある。急いで現実の問題解決へと向かわない、冷静で知的な観察眼が必要)