腕木信号
腕木通信とは、18世紀末から19世紀半ばにかけて主にフランスで使用されていた視覚通信機、およびその通信機を用いた通信網である。 革命の中の1793年、フランス政府が実験に立会い、採用を決定した通信システムで、大きな腕木のある通信中継所を通信路線に沿って建設するもの。 腕木は 機械仕掛けで屋内から操作でき、通信士は、望遠鏡で上流側の腕木を確認して、同じ動作を下流に向けて動かして、次々と情報をリレーする。
もちろん双方向通信が可能であった。
パリから地中海のツーロンまで約760キロメートルの距離を、120程の中継局で結んだ例では、1信号が、約10分間でパリからツーロンに届いたという。 熟練した技術者を要すること、多くの塔が必要であり、その設置場所を選ぶこと、天候に左右されることなどが理由で、電気通信に取って代わられることとなった。