背水の陣
絶体絶命の窮地に置き、決死の覚悟で全力を尽くすこと。
背後に大河の控える逃げ道のない死地に陣を敷いたことで、兵たちに決死の覚悟で奮戦させ活路を開いたという漢の大将軍・韓信の故事から由来している。
出典:史記(淮陰侯列伝)
英語では「burn one's boats.」(船を焼く)という表現が同様の意味に用いられる。
現代、背水の陣とは追い詰められた人間が、「気合」を入れる時に使うことが多い。
しかし、それは、韓信の使ったものとは、少し違う意味である。
業績が下降してきたとき、「背水の陣」を呼びかけて社員の奮起をうながす経営者は世に少なくないが、何ら戦略・戦術もなくただ精神的な「気合い」だけで局面の好転を計ろうとするのは無策にも等しいだろう。
だいたい、一般に背水の陣が呼号されるのは追い詰められたときであるようだが、韓信は決して追い詰められて背水の陣を敷いたのではなく、意図的にそうした状況を作り出したのである。
追い詰められての戦術なき背水の陣とは根本的に異なる。
陽動作戦
決戦戦術
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