純粋持続
durée intérieure
ベルクソン哲学の中心観念。
いっさいの言語・概念・記号を振り払って自己内界に深く深く沈潜するとき、そこに直覚的に感得される生動そのものとしての自我・人格の存在形式。
内容的には過去の全体的保存ともいえるが、刻一刻の質的変化を伴うことから過去の現在化であり、また新しい質の創造をも含意するから未来への伸長なる側面ももち、さらには自覚的体験の域を超えた無意識的な領域をも統合していくところから、別称「純粋記憶」ともよばれるにもかかわらず、単に心理学的・認識論的レベルにとどまらず存在論的射程をもあわせもつ。
その創造性、包摂性がやがて、前者はエラン・ビタール、後者はエラン・ダムール観念にそれぞれ発展する。