範囲の経済
企業が製品数を増やしたり、事業を多角化するほど、1製品あたり、1事業あたりのコストが低下するという経営学上の定理。
具体的には、1つの企業で複数の製品を生産したり、複数の事業に取り組むときに、そのコストの合計が、同じ複数の製品を別々の企業で生産したり、別々の企業で事業を行っている場合の合計と比べて相対的に低くなる現象を指している。 これは同じ設備を利用できたり、管理費などの複数の製品や事業で重複する部分が削減できるためである。
この範囲の経済性を追求することが、製品のラインナップを広げたり多角化を志向させる根拠といわれている。
しかし、どのような場合も範囲の経済性が大きく 働くわけではない。 できるだけ重複して利用できる部分を多くし、範囲の経済性が大きくなる製品や事業の組合せが、シナジー効果(相乗効果)が高いと見なす ことができる。