研究開発
基礎的研究とその応用化研究の成果をもとに、製品化まで進める開発業務。
実用的な技術成果の実現をめざして科学的知識を応用していくことを科学技術とすれば、科学技術をもたらす活動が研究開発である。
したがって研究開発は、新しい科学的な原理や現象を発見したり、新しい技術的な方法を考案したり、あるいはそれらを組み合わせることによって新しい製品や技術を創り出す活動をあらわす。
有用な製品やサービスを創造する研究開発は、企業の長期的な成長を実現するための重要な経営戦略のひとつである。 研究開発は、未知なる現象や新知識の発見など科学的知識の進歩を目的とし、実用的な目的を直接意識することのない探索的な「基礎研究」、基礎研究で得られた科学的知識を社会的ニーズを満たすために特定の実用化に向けていく「応用研究」、科学的知識や実際の経験ノウハウを新製品や新しい製造工程などの実用化に適応ないし組み合わせていく「開発研究」にその活動内容が分けられる。
ナイロンの発明を例にみると、高分子学説を念頭においた冷伸現象を発見し、ポリマーの形成機構を解明するまでが基礎研究であり、合成繊維の実現可能性を探求し、最適な素材の決定に至るまでが応用研究であり、さらに選ばれた素材を用いて繊維製品を量産化する技術の完成までが開発研究である。
一般に、新しい概念や現象の発見という創造性の発揮にウェイトをおく基礎研究ほど、独創的な研究能力を発揮する研究者個人の活動に力点がおかれ、研究テーマの設定や研究の進捗など研究者の自主性に任せた非定型的な管理が中心となる。 それに対して、実現すべき開発目標や開発期間が明確な開発研究では、進捗状況や費用管理など緻密な計画が設定され、開発プロジェクトを効率的に実現すべき組織協調的な活動にウェイトをおいた定型的な管理が中心となる。