異邦人
L'Étranger
アルジェリアの平凡なサラリーマン、ムルソーが、養老院で死んだ母の葬式からしばらくして、友人の女性関係のいざこざに巻き込まれ、殺意がないのに「太陽のせいで」偶然アラブ人を殺してしまう第1部。 ムルソーが実際の殺人罪よりも、「母親の葬式のときに泣かなかった」ことに代表される反社会的なモラルのために裁判で死刑判決を受けるが、何にも頼らず独力で死の恐怖を乗り越え、ついに「世界のやさしい無関心に心を開く」第2部。
独白とも日記体ともつかぬ独特の一人称の語り、徹底して感情を排除した「中性の文体」の新鮮さもあって、若き作者の出世作となったばかりでなく、20世紀フランス小説の代表作とみなされている。