産業組織論
第2次世界大戦後の米国を始め、各国の産業政策、独占禁止政策に大きな足跡を遺した経済学。
産業組織論の歴史は、ハーバード学派とシカゴ学派の激しい対抗の歴史である。
ハーバード学派は、市場占有率が高いほど市場支配力が高まるという「集中度-利潤率仮説」と呼ばれる 立場から、厳格な独占禁止政策を主張してきた。 対して、シカゴ学派は、進化論的淘汰主義から、市場メカニズムの最大活用を主張してきた。
しかし1970年代以降、第3の潮流というべき新しい産業組織論が登場した。 それは戦略的相互依存関係、すなわち自己の行動によって競争相手の行動や地位に制約を加えることを通じて、自己に有利な市場結果や市場構造を作り出すことを重視した ゲーム理論的分析。 新しい産業組織論は、実際の独占禁止政策の運用上、多様なモデル一覧の提供に成功しているが、まだ現実の判例に有益なガイドラインを提供するという段階には到達していない。