戦略村
1962年より南ベトナムで実施された対ゲリラ作戦の一つ。 南ベトナム政府軍が確保した農村地域において、いくつかの村落を合併させて要塞化した人工村をさす。
戦略村に農民を移住させ、民兵や警察の手でゲリラの浸透や宣伝を防ぐことが目的で、緊急時にはただちに正規軍を派遣できるよう配置されていた。
これによって南ベトナム解放民族戦線のゲリラと農民との接触を断って、人民戦争の根を刈り取る予定で、アメリカ軍の指導下で実施されたが、行政の拙劣さなどのため所定の成果をあげえず、逆に強制収容所づくりだとして国際的な非難を浴びた。 農民の強制的再配置によってゲリラを孤立させるこうした試みは、19世紀のキューバなどで実験されており、とくに1950年代にイギリス軍がマレー半島で反乱鎮圧に使った例が有名であった。