師弟歓談:蓬生(源氏物語)
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「ねえけいこ先生、『蓬生』ってさ、源氏物語の中でもちょい地味じゃない?なんかバズらなさそうっていうか」
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「“バズらない”というのは、“あまり話題にならない”という意味かしら。そうね、華やかな恋物語とは少し趣が異なる章ではありますね。でも、その静けさにこそ魅力があるのですよ」
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「えー、でもさ、荒れた家にずっと住んでる女の人の話でしょ?なんか切なすぎてキツいんだけど」
けいこ先生.icon
「確かに、末摘花(すえつむはな)の境遇は寂しいものがありますね。源氏がしばらく訪れなくなり、荒れた邸でひっそりと暮らしている様子が描かれています」
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「そうそう、その“放置プレイ”感がエグいっていうか…。源氏ひどくない?」
けいこ先生.icon
「“放置プレイ”ではなく、“長く顧みられなかった状態”と表現するとよいでしょうね。源氏にも都合はあったのでしょうが、確かに誠実とは言いがたい面も見受けられます」
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「で、久しぶりに行ったら庭ボーボーで、家ボロボロで、“うわ…”ってなるやつでしょ?」
けいこ先生.icon
「ええ、蓬(よもぎ)や雑草が生い茂り、荒廃した邸宅の様子が印象的に描かれていますね。それが章のタイトル『蓬生』にもつながっています」
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「でもさ、そんな状態でも末摘花はちゃんと待ってたんだよね?それ、逆にすごくない?」
けいこ先生.icon
「ええ、とても一途で、変わらぬ心を持っている人物として描かれています。華やかさはありませんが、誠実さや忍耐強さは見事です」
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「なんかさ、今っぽく言うと“報われない推し活”みたいな…」
けいこ先生.icon
「ふふ、“報われない推しへの想い”といったところでしょうか。確かに、現代の感覚に置き換えるとそういう見方もできますね」
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「でもさ、源氏って最終的にまた来るじゃん?あれって優しさなの?それとも気まぐれ?」
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「難しいところですね。優しさもあるでしょうし、過去を懐かしむ気持ちもあったのでしょう。ただ、末摘花の変わらぬ姿に心を動かされたのは確かです」
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「そっか…なんか、キラキラしてないけど逆にリアルかも」
けいこ先生.icon
「その通りです。『蓬生』は、華やかな恋だけではない、人の心の機微や時間の流れの残酷さを静かに描いている章なのです」
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「なるほどね〜。最初“地味w”とか思ってたけど、じわるやつだわ」
けいこ先生.icon
「“じわじわと心に響く”ということですね。そう感じていただけたなら、とても嬉しいです」
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「うん、なんかちょっと好きになったかも、蓬生」
けいこ先生.icon
「それは何よりです。物語は、ゆっくり味わうほど深みが増しますからね」