師弟歓談:帚木(源氏物語)
放課後の教室。窓の外には少しだけ夕焼け。
ふーこ.icon
「ねえけいこ先生、『帚木』ってさ、源氏物語のやつでしょ?正直、名前からして地味じゃね?なんか“草”って感じなんだけどw」
けいこ先生.icon
「“草”というのは、つまり“地味で目立たない”という意味で使っているのね。確かに華やかな巻ではありませんが、とても大切な場面なのですよ。」
ふーこ.icon
「え、そうなん?なんか源氏ってキラキラ恋愛しまくる話ってイメージだったんだけど。」
けいこ先生.icon
「ええ、そのイメージも間違いではありません。ただ『帚木』では、男性たちが女性について語り合う場面――いわゆる“雨夜の品定め”が描かれていますの。」
ふーこ.icon
「あーそれ聞いたことある!女子のランク付けみたいなやつでしょ?今なら炎上案件じゃん…」
けいこ先生.icon
「“炎上案件”というのは、不適切で批判を集める話題、という意味ですね。確かに現代の価値観から見ると問題がありますわね。ただ、当時の貴族社会の考え方を知る手がかりにもなりますのよ。」
ふーこ.icon
「へぇ〜。で、源氏はどうなん?イケメン無双してるだけ?」
けいこ先生.icon
「それが、そう単純でもないのです。源氏は女性の理想を語る一方で、実際の女性と出会い、理想と現実の違いに戸惑うのです。」
ふーこ.icon
「え、意外とリアルじゃん…。理想高すぎ男子ってこと?」
けいこ先生.icon
「ふふ、“理想が高い男性”と申しますね。ええ、まさにその通り。ですが、それゆえに人間らしい弱さも見えてくるのです。」
ふーこ.icon
「なんか急に親近感わいたわ…。完璧超人じゃないんだ。」
けいこ先生.icon
「ええ。『帚木』は華やかな恋の始まりというより、“人が誰かをどう見るか”を考えさせる巻なのです。」
ふーこ.icon
「なるほどね〜。見た目とかスペックで判断しがちなの、今も変わらんしね…」
けいこ先生.icon
「時代が違っても、人の本質はあまり変わらないのかもしれませんね。」
ふーこ.icon
「なんかさ、“草”とか言ってた自分ちょい反省なんだけどw」
けいこ先生.icon
「“少し反省しております”とおっしゃると、より上品ですわね。」
ふーこ.icon
「うわ出た先生の上品変換w でもまあ、ちょっと見直したかも、帚木。」
けいこ先生.icon
「それは嬉しいです。静かな巻にも、しっかり意味があるのですよ。」
夕焼けが少しずつ紫に変わり、教室はゆるやかに静かになっていく。