学習された無力感
犬を縛り付けておいて、電気ショックを与え続ける。
最初のうち犬は必死でもがくが、縛られている為に電気ショックから逃れる事が出来ない。 これを数週間続けるうちに犬は「自分は無能で何をやってもムダだ」という感覚が植え付けられ、そのうち 電気ショックを受けてももがかなくなり、ひたすら衝撃をガマンするだけになった
これを心理学では「学習された無力感」と言う。
極度の無気力状態に陥った事が確認された後、セリグマンは犬の縄をほどいて逃げられるようにしてやったが、それでも犬は黙って電気ショックを与えられるがままで、逃げだそうとはしなかった。
努力をムダだと信じ込んでしまった為「逃げる」という選択肢を失ってしまった。
そしてセリグマンは、犬を抱き上げたり押したりして、電気ショックを受けない所まで動かしてやり「逃げれば助かる」という事を再度学習させた後、再び元の場所に戻し電気ショックを与えた。 犬は逃げれば痛くないと判ったはずなのに、やはり動こうとはしなかった。
一度無気力状態になった犬は、「さっき痛くなかったのは誰かが助けてくれたせいで、自分では何も出来ない」と信じていたのだ