好意の返報性
好意に対しては、好意が返ってくるという原則。
とても当たり前だ。誰だって、自分のことを好いてくれる人の存在は嬉しい。 ところが、この当たり前のことが、けっこう見過ごされている。
好意をもてば相手にも好意を持ってもらえるというのは、幻想だ。 だけど、好意を伝えれば相手からも好意が返ってくるというのは、真実だ。
この規範を信じるからこそ、利他的な行動が促進され(他人に優しくすれば自分に返ってくるので)社会活動が円滑に行われる。 また、意図的に返報性の規範が利用されることもある。 まず親切にし、その後に真の依頼を行う方法がある(花をプレゼントしたあとで寄付を募るなど)。 食品売り場での試食や化粧品の試供品なども、「品質を知ってもらう」目的と同時に、返報性の規範によって売上を上げるという目的があると考えられる。 男女関係における「下心」のあるプレゼントも、返報性を期待していると言える。
好意の返報性という言葉と合わせて、好意を「伝える」のが大事だと、覚えておこう。
ちなみに、この「好意の返報性」については、ゲイン効果とロス効果が有名 です。(アロンソンらの実験 1965)
ゲイン効果
ゲイン効果というのは、初めのうちに若干けなされ気味だったのに、途中か ら誉められていく・・・というパターンの方が、ずっと誉められっぱなしのパターンより、好意度がより高くなること
ロス効果
ロス効果というのは、逆に最初誉められていたのに、段々けなされていく場合の方が、ずっとけなされっぱなしより、もっと不愉快になる(嫌いになる)・・ (メンツ丸つぶれ、というやつです。)