史的唯物論
単に生物学的現象や観念史論では説明できない人間社会の発展の基本的要因を、自然と人間との相互交渉としての物質的生産に求めた。
その基本的要素として社会の生産力と生産関係とを設定し、生産力の発展に対応して歴史的には、原始共同体、奴隷制、封建制、資本主義の各生産様式があり、社会主義への発展が展望された。
また生産関係を土台(下部構造)として、これに照応するイデオロギー、法制的・政治的制度などの上部構造が成立するが、上部構造はまた下部構造に反作用を及ぼす。
生産力の発展に伴い、生産力と生産関係の間に矛盾が生じると階級闘争を通じて、古い生産関係は変革され、新しい生産関係に発展する。
同時に古い上部構造も崩壊する。
大西広