原因および結果について判断するべき規則
(デイヴィット・ヒューム『人性論』より)
1. 原因と結果は空間および時間内において隣接していなければならない。
2. 原因は結果に先行しなければならない。
3. 原因と結果との間に不変的結合があらねばならない。その 因果関係を構成するものは主としてこの性質である。 4. 同じ原因は常に同じ結果を生じ、同じ結果は同じ原因からでなければ決して生起しない。 5. たくさんの異なる対象が同じ結果を生じる場合には、それはそれらの間に共通なる性質があらねばならない。
6. 二つの類似する対象の結果に相違がある場合、それらの対象は異なる点から引き起こされる。
7. ある対象が、その原因の増減とともに増減する時には、それは原因の幾多の異なる部分から生ずる幾多の異なる結果の結合から引き出される一つの複合的結果として認められるべきものである。
8. 何の結果もなしに、ある時間その充分なる完全さにおいて存在する対象は、その結果の唯一の原因ではなく、その影響と作用とを進めえるところのある他の原因によって補助されることを要する。