京大式カードの失敗例
京大式カードがいけなかったというよりも、「情報」の整理と利用について、原理的なことが分かっていなかったからである。ともあれ、挫折の理由について、思いだすままにまとめてみよう。
1. カードにストックしようとした情報の量が、とかく多すぎた。 焦って書くような場合、へたな字がさらに汚くなり、読みずらくなる。
修士論文や卒業論文のように、限られた期限の中でまとめなければならないような場合、情報のカードへの収集に思いのほか時間がかかることに、焦りを感じるものである。
いつまでこんなことをしなければならないのだろうか、早くまとめにかからなければ、今カードに書いている情報が一体役に立だろうか、etc.etc.。
特に、京大式の特徴である太めの罫では、とても足らないという印象を持つ。
なぜB6版が主流になったかといえば、梅棹忠夫氏らが、フィールド調査の際に、聴き書きなどを書き留めやすいように、手に収まるサイズとして、B5ノート(大学ノート)を半分に切ったものを利用していたことによる。 カードの紙が厚めであるのは、調査の後にデータの検索や整理をするにあたって、カード・ボックスの中で何枚かくっついてしまって繰りにくくならない工夫である。
本などで得た情報をB6カードのスペース内に収めるのは、結構頭を悩ませる問題である。
得た情報を、カード・スペースに収まるだけの量に切り落とすのは、かなり勇気の要ることである。