キリスト教的自然観
西欧の精神文化に君臨し、西欧人の思考方法に決定的な役割を果たしてきたキリスト教は、人間に自然の支配者としての地位を与え、人間中心的な自然観を確立させたといわれている。
旧約聖書の創世記における神の言葉がその根拠として引用される。
神は、人間を創造し、「これに海の魚と、空の鳥と、家畜と他のすべての獣と、地のすべての這うものを治めさせ」ることとし、人間に「生めよ、増えよ、地に満ちて、地に従わせよ」と命じたとある。
このような一般的理解に対しては、異論も唱えられている。しかし、環境思想的には、神学的に正しい聖書の解釈に係わる神学論争ではなく、一般人が聖書をどのように理解したかという通俗的解釈の中身が重要とみなされる。
一般的な理解としては、人間以外の自然物は人間のために神により創造されたというものであったといえる。
ここから、人間中心的な自然観が生まれることになった。