エウブリデス
前4世紀頃のギリシアの哲学者。
小ソクラテス学派のメガラ派に属す。
陥穽推理の発見者として有名。
デモステネスの師であったと伝えられる。
ある男が「私が今言っていることは嘘だ」と言った。
この文が真なら彼は嘘をついていることになり、その文は本当のことだということになる。
この文が嘘なら彼は本当のことを言っていることになり、その文は嘘だということになる。
したがって、その話者が嘘をついているなら彼は真実を述べており、同時にその逆も成り立つ。
2. 仮面の男のパラドックス (egkekalummenos):
「あなたはこの仮面の男を知っているか?」
「いいえ」
「しかし、彼はあなたの父だ。では、あなたは自分の父親を知っているか?」
3. エーレクトラーのパラドックス:
エーレクトラーは近づいてくる男が弟オレステースだとは知らなかった。
エーレクトラーは弟を知っている。
エーレクトラーはその男が弟だと知っているか?
4. 見過ごされた男のパラドックス (dialanthanôn):
アルファは近づいてくる男を無視し、余所者として扱った。
その男は彼の父だった。
さて、アルファは自分の父を無視して余所者として扱ったのか?
一粒の砂は砂山ではない。
もう一粒の砂を加えても砂山と呼ぶには十分ではない。
果たして砂を何粒集めたら砂山といえるだろうか。
しかし、どんどん髪の毛を抜いていくといずれかの段階でハゲとなる。
7. 角のパラドックス (keratinês):
失くしていないものは持っているはずである。
あなたは角をなくしたことがない。
従ってあなたは角を持っている。