アクションリサーチ
具体的には、
1. 計画段階:
2. 実践段階:
仮説に従って具体的な活動を実践するが、必要ならば前もって訓練・教育を行う、
3. 評価段階:
活動の有効性と仮説の妥当性を検証するために、目標達成度を客観的科学的測定に基づいて行い、活動内容や方策に改善すべき点の有無を検討する、
4. 修正段階:
改善すべき点があれば修正を行って再度 同様の過程を繰り返すが、このとき実験研究の知見の有効性を実地研究で確認し、実地研究で示された知見の理論的妥当性を実験研究で検証するという具合に実験室と現場をリンクさせながら進める、 5. 適用段階:
目標が達成されたら、その成果を異なる社会事象にも適用してみて、その方策の効用と限界を見きわめる、 という手続をとる。
組織の対人関係改善に有効な方法として活用されるほか、食習慣の改善や企業における目標管理など、産業場面を中心に広い分野で活用されてきた。 グループダイナミックスは小集団を対象に精密な実験的手法を取り入れて理論的研究の道を開いたが、実験状況が精密になるほど現実の集団状況から遊離しやすくなるという問題に直面する。
アクションリサーチは、現代の工学からみれば少なからず欠陥を抱えてはいるが、実験のための実験に終始することなく、現場に向き合い、そこから豊かな知見を取り入れることで優れた理論的研究を可能にするという意味で、その理念は輝きを失っていない。 ■ アクションリサーチの論文の書き方
1 目的と理論的根拠
自分の仕事を学問的に位置づける
2 問題の背景
社会的な問題の背景を記述。組織の特徴、たとえば、事業内容、歴史、問題の意味、研究に期待されるもの等。
3 方法論と研究法
方法論とは、哲学的なアプローチ、研究法とは、実施した研究方法。自分のアプローチの積極面を押し出すのが大事。
1)アクションリサーチの学習サイクルをどう用いたか
2)解釈のためさまざまなデータにどのようにアクセスしたか
3)自分の推測・解釈を確かめるためにどのようにやってきたかの証拠
4)自分の解釈や成果がこれまでの文献とどのように照らし合わせたか
4 経過と成果
論文の中心内容である。経過をストーリーとして記述する。その成果を述べる。事実と意味とを区別して記述する。
5 内省と教訓
自分の学習プロセスを書く。一人称でも3人称でも良い。
6 経験と理論からみた経過の考察
理論づける。経験を実践性だけでなく理論的な位置づけをおこない、拡大可能性についても考察する。