当研究室での卒論の書き方
基本的な目標
1) 体裁も含めて、かっちりとした文書 document として仕上げる
そういう文書を作成する能力を身につける(これは卒業後も一生役に立つ能力です)
2) いくつかの基本資料を定め、読みこなす
十分な資料読解能力を身につける(これも一生役に立つ)
3) 可能であれば冬休み前に一応全体を書き終えて、残り期間をいろいろな確認と修正・調整に使う
4) 致命的なトラブルを回避するために締切前日には提出する
執筆時に念頭に置いておくべき2つのこと
1 ) 卒論は読んでもらって評価を受けるための文書だということ
だから読み手に親切に、わかりやすく、誤解されず、労力なしで読めるように書かなければいけない
見出しなどの体裁がちゃんとしている必要があるのはこのため
章毎のまとめや、前の章との話のつながりなどをそのつど示すなどの、読み手のための工夫も必要
2) 論文は自分が言いたいことではなく、根拠をもって言えることは何か(そして何が言えないのか)を書くものだということ
自分で設定した問いに関して、文献や資料を調査した結果どこまでが説得力をもって主張できて、どういうことについては(たとえば情報不足のため)主張できないのかが明確にされていればよい
つまり卒論では世界を救わなくてもいい
執筆作業のイメージ
1) とりあえる書ける部分(パーツ)から書いていく
読んだ資料のメモをつくって貯めていく
このとき、できるだけ箇条書きではなく、ちゃんとした段落のかたちで書く。
パーツから書いていく方法の利点は4つ
短かくても文章を書く習慣が早い時点で身につくと、卒論を書くのがしんどくなくなる
10月末ぐらいの時点で手持ちのパーツの字数が一定程度あれば、精神的に余裕を持てる
具体的に書いてみて初めて気がつくこと、わかることがたくさんある
具体的に書いたものがないと、指導教員や他のゼミ生からコメントをもらいにくい。逆にいうと、書いたものがあればどんどんコメントや情報をもらって、先に進める。
2) 手持ちのパーツをつなげてみて、全体の構想を調整する(秋頃から)
章のタイトルや論文のタイトルを仮に決める
パーツのつなぎ目に話の流れのギャップがある場合、資料や議論を追加してそれを埋める
それでうまく行かない場合は、パーツの並べ方を変えたり、新しいパーツが必要かどうかを検討する
3) 仕上げ(年末頃から)
「序論」と「結論」を書く。この二つが問いとそれに対する回答として、ちゃんと対応しているように書く
論文や各章のタイトルが適切か、確認する
離れているパーツ同士で内容の関連がある場合は、言及してリンクをつくる
誤字脱字やスペルミスなどについて、ワープロソフトのチェック機能なども使って修正する
印刷して目でもチェックする