覆水盆に返らずの物語
そもそも、大抵の事柄が不可逆である
不可逆な決断を否応なしにしていくのが人生
不可逆なものこそが芸術的表現の題材となる(物語)
大抵は喪失や欠如を埋めようとするところから始まる(Pixar式) いかに小さなことであっても、再会は神秘的なドラマになる
小さな出来事を繊細に描くポイントだと思う
「ストレッチ」のような、喪失と回復のドラマが好き
輪廻転生に惹かれるところがある
暗いドラマの題材にもなる
手に入らないものへ未練を持ち続ける、それを自覚させられるみたいな
未練は強いキャラクター性を生む
https://gyazo.com/63215f7f03bbb2c54650bc70aebe4633
いくつかの例。
キリストの処刑
楽園追放
物語じゃないけどJoy Divisionのイアン・カーティスの自殺
軸になっていた人物の死により、残された人たちが新たな軸を作らねばならない
自分は誰かの死に身近に触れるたびに Joy Division / New Orderを聞いている気がする
イアン・カーティスもNew Orderのメンバーも、否応なしに死に向かい合わなければいけなかった
She's lost controlやPerfect kissには残されたものの痛みを感じる
これは自分にとって、宗教に相当するものかもしれない
冥福を祈るとかが自分には今ひとつしっくり来ていなかった
けど宗教なしでは、失うことによる痛みをどう表現すべきか迷子になってしまう
死が一人の意識の終焉である以上、それに対する解釈もかける言葉も存在しない
自分にできることは、人間一人の存在が過去のものにならないように、痛みを絶叫として残すことだと思う
特に詩や絵は、不条理をそのままの形で残す手段になる
人間は自分の人生を生きるために、誰かの死と自分を切断する必要がある
例えばいい話にしてしまうとか、触れないようにするとか、法事を行うとか
しかし自分はこの前向きさを正しいと思う一方で冷たいと感じてしまうのかもしれない
喪失→否定→受容→克服 というドラマになりうる