編集粒度とオーナーシップ
「まずこの辺に山があって、じゃあ近くに街があって、ここで大陸を川で区切って・・・」のように、プレビューしながら思うがまま試行錯誤できる
マップチップ単位での大雑把な編集をさせることで、自由度と作成所要時間のバランスを取れている
ただし限界はある
やはりデフォルトのマップチップやBGMを使って作られたゲームは面白みに欠ける
出来上がりのクオリティは低く見える。「レトロなRPGはこういうものだから」みたいにプレイする側の期待を抑えることで、コンテンツとしてはギリギリ希求するものになっているけれど、一般のご家庭の子どもがそれをあえて遊びたいと思うことは期待できない。普通にFFとか買うだろとなる
限度があることがかなり苦痛に感じられる。例えば1/2サイズのマップチップが欲しくなるということも当然ありうる
理想的な編集粒度というのは複数あるのかもしれない。
1. 大雑把な雰囲気やコンセプトの決定
この時点では時代感とかlo-fiなのかリアルなのか映画っぽいのか、など
ラフスケッチでどういうパーツを選ぶのか、AIのサポートがありうる
2. テキストエディット
キャラクター設定・テキスト素材の用意
大体のストーリーラインや、重要なセリフをノートとかテキストにまとめておく
3. ラフスケッチ
RPGツクールの編集粒度のメインがこれ。編集粒度が大きければスピード感が出やすいが、一方で作りたいものとのズレが大きくなる
スーファミ版RPGツクールはメモリの制約なのか、マップチップ一つがかなり大きくなってしまっていた
4. 素材編集
キャラチップ、マップチップ、BGMなどを自作のものに置き換える
結局ここまでやれないと作家性が出づらい
よく使われているパーツをここで変更できれば、全体のデザインに反映されるため効率的
tailwindのトークン編集とも似ているかもしれない
5. ゲームエンジン・システムのカスタマイズ
RPGツクールデフォルトの場合であれば、結局ベースの戦闘システムは変わらないので、何を遊んでも同じ味がするということが起きていた
そのため、RPGツクールの人気作品はそもそも戦闘をオミットして、アドベンチャー作成ツールとして使っている作品が多かった
WindowsからのRPGツクールの場合はプラグインをJSで書くことができる
JSを書ける人は多くないけれども皆無ではないということが重要
プラグインであれば、素人でも手順に沿えば導入できる
プログラマー側からすると、ゲームそのもののストーリーが作れなくても、知識で人気になることができる
こういったコミュニティ内での分業がエコシステムの発達につながっていた
自分として重要だと思っているポイント
規格化
32 x 32四方のマップチップというのはRPGを作るのにやはりちょうどよかった感がある
同じようにACIDであれば1小節単位
コンテンツの構成部品の最小単位を決定できればエディタが汎用的になる
イメージボード
RPGツクールをいきなり開いて作品を作るのはむずい
大雑把でもいいから全体のストーリーラインとか地図とかキャラ設定とかがあったほうがいい
慣れ
一発目でいいRPGを作るのは難しい
結局ツクールが提示している省力化のコンセプトに慣れて、どこまで表現できるのかという限界を理解しておかないといけない
それが実質的には敷居の高さになっているんだと思う
こんなもの作れるんだ!という感動
RPGツクールが出た当初は、ゲームって子どもでも作れるんだ!という斬新さがあった
あとコンテストに賞金が出ていたという事情もあった
当時のRPGはグラフィックのクオリティがそこまで高くなかった
今だと、ちょっとした2Dゲームが作れたところでそこまで感動とかあるのだろうか…?