古畑任三郎構成
倒叙
『古畑任三郎』は「倒叙形式」のドラマです。これは通常の推理ドラマと異なり、初めに犯人・犯行の様子・犯人の行うトリックなどが描かれ、その後、刑事の側から捜査の進展や真相の看破に至る過程が描かれる形式のものです。視聴者には予め犯行過程が判っており、犯人側のどのようなミスから足がつくのか、または刑事がどのように犯人に墓穴を掘らせるのか、その論理とサスペンスが興味の対象になります。TV作品では『刑事コロンボ』シリーズが特に有名であり、『古畑任三郎』はまさに日本版「コロンボ」を目指した作品なのです。
テレビドラマ『古畑任三郎』の基本フォーマット
『古畑任三郎』のエピソードの構成は基本的に3つの部分に分かれます。
犯人の犯行と古畑の捜査を描く前半「事件篇」
場面が暗転、古畑が視聴者に向かって挑戦する「暗転部」
古畑が犯人のミスを指摘し(あるいは逆トリックにかけて)自白に追い込む後半「解決篇」