あえて逆側にアンカーを打つことで自説を際立たせる
最近考えているいくつかのことが一つの法則で説明できるのではと思うに至ったので、メモ。
「お忙しいところ」と言ってしまいがち問題
「忙しい」というアンカーを打つことで、やってくれたことのありがたみを強調している
自説を強調するためにわざわざ他のものを下げる問題
自説を100点だとした時に、普通なら(=0から数えれば)プラス100だけど、他の説に-100点というアンカーを打つことで差し引きプラス200ですというインパクトを持たせる
「美人すぎるhogehoge」も根本は似ているのかも?
「hogehogeといえば美人じゃないのが普通でしょう」というアンカーを利用して、美人であることのインパクトを強めている
厳密にはこの話者がアンカーを打っているわけではないけど、暗にそういうアンカー(ステレオタイプ)あるよねという意図が背景に感じられる
どれも、自説を展開するにあたってその説得力を最大化するために、「あえて逆側にアンカーを打つことで自説を際立たせる」、という力学が働いているのではなかろうか。
ただしこれらは、アンカーを打つ行為そのものがネガティブに働く可能性が高いので、ある種の劇薬となる。
お忙しいところ→忙しいわけではない可能性
他を下げる→言わずもがな、下げられた方が不快
美人すぎるhogehoge→「hogehogeは美人じゃ無いのが普通」という認識が失礼
ストーリーの黄金律としても、あえて苦境を挟むことでその後のカタルシスを高めるっていうのは王道だし、「下げてから上げることで盛り上げる」という仕組みを完全に拒絶するのは難しいのかもな。
僕のかなり苦手な「スカッとジャパン」的な勧善懲悪も同じで、悪を酷く描けば描くほど正義が良く見えるって話か〜。
殺人事件が起きなければ、シャーロックホームズも名探偵コナンも活躍できない。それはちょっと違う話か。
う〜む、とっても興味深い。