アウトラインの作り方
このページはアウトラインの例かつテンプレートとして利用します。
アウトライン作成の要点
「アウトラインって何じゃろか?」という方はまず、こちらの情報を読んでみましょう。アウトラインプロセッサ(アウトライン作成ツール)についての内容ですが、アウトラインに対する考え方をしっかりと学ぶことができます。
アウトラインの作成プロセス
0. 以下の例(テンプレート)は5つの章から構成されるレポートを想定している。
三角ロジックを使った場合、全5章から構成されるレポートが書きやすい。
1. アウトラインの冒頭に論点を書く。
レポートで議論する(書きたい)内容をひとことでまとめる(書く)。
つまり「主題」を書く。
2. 各章には必ず見出しをつける。
1. はじめに と 5. おわりに はそのまま利用する。
もちろん、書き手が別の適切な見出しをつけてもOK
本論にあたる 2. から 4. までは、それぞれの章の内容を的確に示し、かつ簡潔な見出しを(自分で考えて)つける。
三角ロジックからレポートを構成する(アウトラインを組み立てる)場合、2章から4章までに、主張、根拠、論拠を入れ込む(書く)。
この時にレポートで自分が展開するロジックに反対および再反対をやると(そして上手くできると)加点対象になる。 → 強く推奨します。
3. 三角ロジックの 根拠Dataまたは 論拠Warrantに対して反対を行う。
反対は反駁チガウまたは質疑ナゼのいずれかのやり方で考える。
それへの再反対も含めてアウトラインに書き込む。
4. 各章に書きたい内容を箇条書きで書き込む。
このときひとつの箇条書き=ひとつのパラグラフ、程度にまで細かく書き込む。ベスト!
ただし、なれない間は上記の注意点をあまり気にしなくても構わない。
手書きでも作成できますが、普段はWordのアウトライン機能を使うと便利です。
Wordのメニュー
「表示」から「アウトライン」を選択する。
アウトラインモードに入ります。
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アウトラインの作成例&テンプレート
この作成例では5つの章=5章立てで構成されるレポートを想定しています。
論点:中学生にLINEの利用を許すか、限定的立場で肯定、条件付きで許可する【主題】
序論
1. はじめに 章の見出し=番号+タイトル(「論点」+「主張」その章の位置づけ)
書く内容を箇条書きで簡潔に示す
子どもたちのソーシャルメディアの利用頻度は年々高くなっている。またそのことが学校や家庭においてトラブルを生じさせている。【論点】
このレポートでは、特に中学生には用途や時間に制限を設けて使わせるべきだと主張する。【主張】
本論
2. ソーシャルメディアを多用した新しいコミュニケーション(三角ロジックの「根拠」)
通話時間が減少する一方で、LINEの利用回数や時間は増加している。【根拠の提示】
家庭における学習時間や親子での会話の時間が減少している。【根拠の提示】
総務省が2012年に実施した「××××××調査」により中学生が1日の生活時間の中で、○○時間以上ソーシャルメディアの利用に費やしていることが判明。そのうち最も長時間利用されているソーシャルメディアはLINEだった。【具体的な調査データからの引用その1】
文科省が2013年に実施した「△△△調査」によると子どものソーシャルメディア利用を親が介入し、コントロールできている例は全体の3割程度しかない。【具体的な調査データからの引用その2】
3. 中学生では自己管理が不十分(三角ロジックの「論拠」)
生活時間におけるソーシャルメディアの利用時間が増えたことで、学級ではいわゆる「既読スルー」問題を原因とするいじめが増加したなどのトラブルが起こっている。【論拠の提示】
家庭でもソーシャルメディア利用が原因とみられる高額請求や子どもに不適切な情報への接触といったトラブルが多く発生していることが報告されている。【論拠の提示】
一方で、ソーシャルメディアを含めたインターネットの素晴らしさに注目し、子どもの自主性を尊重し自由に使わせることで、子どもは自然と学習し、ネット社会にふさわしい人物に成長できるという意見もある。【論拠への反対(反駁)】
複数の研究者や専門家の意見として上記のような主張がみられる。【論拠への反対(反駁)】
中学生は自己管理が十分でないことから犯罪に巻き込まれる危険性もある。【論拠への反対(反駁)に対する再反対】
実際に小学生を対象とした実験結果では、大人のサポートが無いままだと、子どもだけで安全なソーシャルメディア利用を行えるだけの知識は育たないことがわかっている。【具体的な先行研究からの引用その1】
また中学生は自己管理が十分でないことから犯罪に巻き込まれる危険性もある。【具体的な先行研究からの引用その2】
4. 条件付きで使用させる(三角ロジックの「主張」)
しかし、ネット社会の中でネットリテラシーを早い段階で身につけることは必要だと思われる。【限定的立場で肯定】
学級や家庭で十分なネットリテラシー教育を行うことが必要だ。【限定的立場で肯定】
基本的には学級内ではスマートフォンを使用させないことにすべき。【具体的な主張】
LINEなどのソーシャルメディアを家庭に限り、親の目の届く場所で、限られた時間内に使用させるべき。【具体的な主張】
上記の条件とあわせて、常に親子の間でスマートフォンやソーシャルメディア利用について十分な話し合いを行い、家庭でのルール作りをすすめていくべきだ。【具体的な主張】
結論
5. おわりに(「主張」の再確認 + 今後の課題)
スマートフォンは進化している。情報端末を使ったコミュニケーションは変化していくであろう。【主張の再確認】
親子で話し合い、使用のルールを、その都度決めていくことが必要だ。【主張の再確認】
今後の課題は、親子間の認識のズレを互いに理解し、どう対処していくかにある。【今後の課題を提示】
注と文献
注
(注(注釈)は本文を実際に書き出してから付けるものなので、アウトライン作成時点では割愛する)
引用文献
木村忠正(2012)『デジタルネイティブの時代 なぜメールせずに「つぶやく」のか』平凡社新書
吉見俊哉「メディア環境のなかの子ども文化」(2007)北田暁大・大和田直樹編『リーディングス日本の教育と社会 第10巻 子どもとニューメディア』日本図書センター
土橋臣吾(2003)「携帯インターネット利用の日常性」『武蔵工業大学環境情報学部情報メディアセンタージャーナル』
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がんばりましょう。(教員個人の経験則ですが...)テーマの設定、アイデア出し・整理、情報(文献や資料)探索と精読・分析、三角ロジック構築、アウトライン作成、まで、つまり本文を書き始めるまでに、全体の作業量の7割から8割はかけています。