ソフトウェアエンジニアのオーナーシップ
オーナーシップ
システム → プロダクト → ビジネス
システムに対するオーナーシップ
担当コードだけでなく、システム全体の稼働や性能に責任を持つ。
例:障害対応、監視設計、パフォーマンス改善。
「技術的品質を守る当事者」という位置づけ。
プロダクトに対するオーナーシップ
単に動くコードを書くのではなく、ユーザーにとって本当に価値があるかを気にかける。
仕様や機能について「この機能は本当に必要か?」と問い直す。
技術観点を超えて、ユーザー価値の共創者になる。
ビジネスに対するオーナーシップ
プロダクトが事業として成り立ち、成功するかどうかに責任を持つ。
収益モデル、KPI、ROIといった指標にも関心を寄せる。
「会社・事業の成否」にまでオーナーシップを広げた姿。
観点
「境界の曖昧さ」
実際には3つのレベルは明確に分かれるというよりグラデーション。
例えば「パフォーマンス改善」はシステムの話でありつつ、ユーザー体験や事業コスト削減にも直結する。
どこまでを「自分の責任」とみなすかは組織文化による。
「組織構造との相互作用」
エンジニアがビジネスレベルのオーナーシップを持とうとしても、会社が「お前はコードだけ書け」という構造なら無理。
逆に、組織が越境を許容して初めて、3つのレベルが実現できる。
「個人の成熟段階」
新人はまず「システムレベル」で十分。
中堅が「プロダクトレベル」を目指し、リードやCTO候補が「ビジネスレベル」に進む。
つまりこれは成長段階モデルとしても解釈できる。
「トレードオフの意識」
ビジネスに責任を持ちすぎると、技術的品質を犠牲にしてしまう場合もある。
逆にシステム品質だけを優先すると、事業スピードが出ない。
どのレベルを重視するかは局面によるバランス感覚が重要。
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