漫才
Aマッソ「新しい友達」(M-1グランプリ2018) ボケにできたという新しい友達。だがその紹介を聞いていくうちに、普通の友達ではないことが明らかになっていく……。
中盤以降の展開が見もの。
https://www.youtube.com/watch?v=rSp9H0BlH9A&feature=youtu.be
現在の漫才シーンで「奇想」に言及しようと思えば、Dr.ハインリッヒは欠かせない存在だ。双子の姉妹で、片方が右利き・片方が左利き……という、生まれからしてフィクショナルで唯一無二の漫才師でありながら、ネタ内では決して双子であることも、姉妹であることも、女性であることも言及しない、ストロングスタイルの漫才師である。
昨年度のM-1グランプリ準々決勝で掛けられたこのネタは、彼女たちのスタイルを代表するネタだ。川端康成『雪国』の書き出しから始まり、実際に「トンネルを抜けた」先で見た幻想的な光景――チャーハンを食べるでぶの鰯、コンクリートの裂け目から咲く向日葵、その向日葵から落ちる銀色の鉛筆のキャップ――を語っていくボケの幸。ツッコミの彩はその発言に口を出すことはあれど、決して決定的なツッコミ――「んなわけあるかい!」に代表される、発話者のボケをウソ=虚構として遮る、「常識」としてのツッコミ――はしない。結果、舞台上では非常に不条理な空間が展開されていく。
そしてその結果見えてくるものは、チャーハン-鰯-向日葵-幸で展開される、鉛筆キャップを製造する巨大な輪廻である。5分にも満たない話の中で、まさか永劫回帰的な世界が展開されるとは誰も思わなかっただろう。
「自分もそうやで。知らん間に、何かを作るメンバーの輪廻に参加してますよ。お客さんもそうですよ」
「私もサザエさん あなたもサザエさん」「アンパンマンはきみだ」に次ぐ衝撃の事実。不条理なようでいて、論理が成立しているかのように見える奇妙な感覚。そして締めの「メビウス!」「メビウスやからもうええわ」という言葉。観客は自分も巨大なシステムに囚われていることを知らされ――自明のことではあるが、まさか漫才を見に来てそんなことを突きつけられ得るとは露ほども思わず――唖然としている間に、双子の姉妹漫才師は舞台を後にしている――まさに唯一無二の存在。彼女たちが売れる世界線に住みたかった、そんな気持ちに毎回させられる漫才師である。
Dr.ハインリッヒが売れる世界線なら、ラファティがバカ売れしてると思う。
オズワルド「子供」(ABCお笑い新人グランプリ2020) https://www.youtube.com/watch?v=94FjaJq5qYk&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=Udld0SYLs54&feature=youtu.be
月の名前を英語で言えない→九九と合わせれば覚えやすい、という謎発想から転がり続ける狂った暗記術。
キュウ「ヨーグルトの話」(M-1グランプリ2020) https://www.youtube.com/watch?v=z24UsE5Yj_o&feature=youtu.be
金属バット「プリクラ」(M-1グランプリ2016) https://www.youtube.com/watch?v=C3JCbX9Ff1Y
プリクラの本体を買った、という導入から最終的に家に火力発電所を作るところまで辿り着く奇想。
https://www.youtube.com/watch?v=6mkNCcm4Ezc
ピンポンパンゲーム。
言葉遊び系漫才の極北。
言葉遊び系漫才の極北パート2。
https://www.youtube.com/watch?v=JuQiMIlW1lM
https://www.youtube.com/watch?v=Brg094fwTnI&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=9m4UOzPpvy4
https://www.youtube.com/watch?v=1u9BB7DCBY0
言わずと知れた唯一の100点ネタ。