【電子版限定特典付き】魔界帰りの劣等能力者 12.幻魔降ろしの儀 (HJ文庫)
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By: たすろう、かる
ピンク色のハイライト | 位置: 333
何が分かったのだろうと秋華と琴音は祐人を正視する。 「今から 僕 の考えを言うね。でも気分を悪くしないで 欲しい。あくまで僕の考えと想像だから。それと時間がないから言葉がきつく感じると思うけど許してほしい。ただそれで、これから行う修行の意味を分かってもらおうと思う」
メモキーワードまたはフレーズ: いたからいうね
感情または反応: 期待
シーンの重要度:一体何をいうのか、名門の家では指摘されなかったであろうことを指摘されそう
ピンク色のハイライト | 位置: 404
「じゃあ、始めるね。今から二人には僕の『領域』に入ってもらう」
メモキーワードまたはフレーズ: 領域
感情または反応: 期待
シーンの重要度:領域とは何か?時間の流れが遅くなるとかそういう系かなー
ピンク色のハイライト | 位置: 547
祐人は 一旦、二人に休憩を与えて口を 濯いでくるように指示すると二人は無言で立ち上がり祐人の横を通り過ぎて行った。  明らかに祐人を無視しているようだ。  祐人は苦笑いをわずかに浮かべるとすぐに真剣な顔になる。 (想像はしていたけど成長が早いね。いい感度を持っている。 偏った方法だったとはいえ各家で 基礎 の 修行 をしていたことが言えるかな。でも、であるからこそ、ここからが重要だ)
メモキーワードまたはフレーズ: 無視
感情または反応: 大丈夫か
シーンの重要度: 修行の一環とは言え、無視されてるのは大丈夫かという
ピンク色のハイライト | 位置: 617
(ただあの時、水重さんは毅成さんに〝四天〟を見たか、と聞いていた。あれは一体、何のことなのだろうか)
メモキーワードまたはフレーズ: 四天はみたか
感情または反応: 伏線
シーンの重要度:ひろともわからない何かがある
ピンク色のハイライト | 位置: 750
その顔は印象的だった。  表情は厳しい。修行を始めるときのままの表情だ。  しかしその厳しさの中に 祈りのような、待っているような、 雰囲気 が混ざっている。  心配なのに、今すぐ手を差し伸べたいのに、それはしない。 敢えてしない。  それは……。  自分たちのためだ、と何故か分かってしまう。 (堂杜さん!)  これは視覚情報だけではない、闇深い領域の 奥 の奥にある祐人の本心。  それをこの時、二人は 垣間見 てしまった。  まだ否定的な主張は消えていない。
メモキーワードまたはフレーズ: 本心
感情または反応: 安心
シーンの重要度:2人の反感を買うだけじゃなく、ひろとの本心が伝わる安心
ピンク色のハイライト | 位置: 787
「そうですか。ではあの時、堂杜さんが失敗したと言っていたのはどういうことなんでしょうか」 「うーん、分からないけど、やっぱり私たちを助けちゃったことを言っているんじゃないかな。鬼教官モードになっていたし、自力で解決させようとしていたのに手を差し伸べちゃったからね」 「やっぱり、そうですよね」  それはそうだろうと琴音も想像はしていた。  しかし本当にそれだけかとも思ってしまい琴音は考え込む仕草をする。
メモキーワードまたはフレーズ: 失敗
感情または反応: 疑問
シーンの重要度:確かに、最後助けてしまったことが失敗なだけなんだろうか
ピンク色のハイライト | 位置: 832
すると何故か、これは疑うべきじゃないと秋華は思う。 (表面的なことじゃない。内に起きた変化。修行が 契機 になったかもしれない) 「ハッ!」  秋華が 突然、目を見開いた。  そして、琴音の 座っているベッドに飛び込むように座ってきた。  その様子を見て琴音が 驚きつつも 眉根 を寄せる。 「ど、どうしたんですか、秋華さん」 「今、私にも変化があった!」 「え?」 「私はいつも疑うことから入るの。ううん、それよりも疑うことを 繰り返すことで物事を考えることがクセになっている人間なのよ。それなのに今、私は琴音ちゃんを疑ってはならないと確信した!」 「それは……?」
メモ
ピンク色のハイライト | 位置: 1,101
「大事なのは相手を見る時、自分の領域を通すことです。なのに二人は僕の中にある 甘 さを感じ取ると救われたと勇気を持ちました。特に秋華さんは 顕著 でした。共感、という意味では琴音ちゃんよりも格段に上です。これは思うに先ほど仮定した秋華さんの持つ独自リスクがより 顕在 化 したと言えると思います。高位の人外を相手に共感だけでは 呑み込まれます」  大威と雨花は「ふむ」とを目を細める。
キーワードまたはフレーズ: 変化
感情または反応: なるほど
シーンの重要度:本質的な変化がでてきている
ピンク色のハイライト | 位置: 1,297
「そう。これは仙道使いにおける能力を使う際の状態を表している。段階として『 守 己』(自分の分をわきまえる)、『 知 敵』(敵の強さを知る)、『 知己』(おのれを知る。※この場合、己の未熟さ、欠点を認めること)、『 克己』(おのれに勝つ)、『 不惑』( 惑わされず)、そして『 明鏡止水』に至り、最後は『 中庸』の 悟りを得る」
メモキーワードまたはフレーズ: 飲み込まれる
感情または反応: 納得
シーンの重要度:修行の失敗理由が明らかになった
ピンク色のハイライト | 位置: 1,401
「え!? いや、うん、何というか弟子にしてほしいって……」 〝弟子!? そう来ましたか! 確かにいい根性をしています。なんていう子〟  まるで戦場にいる将軍が敵に裏をかかれ「してやられた!」と言った時のような声が祐人の耳に 響き渡る。 〝そそそ、それで何と答えたんですか? まさか受け入れたんじゃ……〟
メモキーワードまたはフレーズ: 不惑、中庸
感情または反応: 勉強になる
シーンの重要度:朱子学?
ピンク色のハイライト | 位置: 1,526
秋華たちの最終の修行直前に大威と 雨 花 は大物の客人の訪問を受け、 笑みを浮かべた。 「ようこそ、いらっしゃった。 頼 重 殿、それに 奥方 も」  大威は立ち上がり琴音の父である三千院頼重と母の 柚 葉 を席に 誘導 した。  当初、大威たちは三千院家当主からの 突然 の連絡と訪問に 驚き、重要な 秘儀 を前にして 多忙 ではあったが訪問理由は何となく想像ができたので快く受け入れた。
メモキーワードまたはフレーズ: してやられた
感情または反応: 面白い
シーンの重要度:まるで、という比喩で感情表現する
ピンク色のハイライト | 位置: 1,553
「はい、黄家を前にして回りくどい言い方は失礼と思いますので 胸襟 を開かせてもらいます。実は琴音の今後について良からぬことになりそうな話を聞きました」 「良からぬこと……ふむ、それは何でしょう」 「実は堂杜祐人という少年についてです。今、こちらに 滞在 していると聞いています」  頼重の目に 鋭い光が内包していることに大威は気づいていた。  しかし、それには気づかぬふりをして大威は笑顔を見せる。 「はい、 彼 は秋華の友人のようでしてな。今も屋敷のどこかで一緒にいると思います。もちろん、そこに琴音さんもいらっしゃるでしょう」 「実はですな、琴音は自分の将来の夫をその堂杜なる少年にしたいと考えているようなのです」
メモキーワードまたはフレーズ: 三千院当主
感情または反応: 期待
シーンの重要度:琴音の成長を目の当たりにして驚く姿が楽しみ
ピンク色のハイライト | 位置: 1,603
「むう、あの馬鹿娘が」 「あの子は何という」  これを聞いた 途端 に大威と雨花は大きなため息を 漏らし 項垂れた。  さすがにこの二人の姿を見て頼重は同じ親として同情をした。  しかし今回は自分の大事な娘が 誑かされている。ここは強く叱ってもらおうと思う。
メモキーワードまたはフレーズ: よからぬこと
感情または反応: 期待
シーンの重要度:ひろとへの評価が低い人間とその評価が裏返ることへの期待
ピンク色のハイライト | 位置: 1,609
すると大威が頭を振って不満を漏らす。 「何でこんな重要な話を三千院に漏らすのだ。堂杜君は我が黄家だけでいいはずだろう」 「まったくです。いくら初めての友人だからといって堂杜君を 薦めるなんて人が好すぎます。あの子にはきつくお 灸 をすえる必要がありますね」 「は?」  大威と雨花の言葉に頼重と柚葉が 呆けてしまう。  どうにも想像と大きくズレた反応のように見えたのだ。  聞き 間違いか? と二人の様子を確認するが二人は頭が痛そうに落ち込んでいる様子だ。
メモキーワードまたはフレーズ: あの馬鹿娘が
感情または反応: 勘違い
シーンの重要度:おそらく頼重の思っているほっとしていることと秋華の両親の思いはすれ違っている
ピンク色のハイライト | 位置: 1,617
か」 「??」 「はい、私からもお願いいたします。申し訳ないのですが堂杜君のことは黄家に任せていただきたい」 「????」  頼重は二人が何を言っているのか分からない。  だが黄家の当主とその奥方が深く頭を下げている。  一体、どういうことなのか?  ――その時だった。  黄家の広大な 敷地 のほとんどを 覆うような強力な領域が展開されたのをここにいる名家の当主たちが感じ取った。 「これは!?」 「何だ!?」  展開された領域は二つ。  しかもこの領域はここにいる四人の能力者にも覚えのあるものだった。 「これは自在海!? 秋華か!?」 「絶対感応領域!? 琴音……? まさか琴音なのか!?」   突如 出現した強力な領域に黄家、三千院の両当主夫妻が目を見開いたのだった。
メモキーワードまたはフレーズ: 大事な話を漏らすのだ
感情または反応: 面白い
シーンの重要度:早速すれ違いが解消されるが、スッキリする感じ
ピンク色のハイライト | 位置: 1,875
すると 発作的 に大威と雨花が声を上げて笑いだす。  親として英雄が昨今見せたことのない行動を聞き、喜びが 湧き上がってしまったのだ。 (あの英雄が同世代の子と喧嘩して仲直りだなんて! まったく堂杜君が来てからというもの驚かされてばっかりです。数年間、私たち家族の失われた時間がいっぺんに戻ってきたよう)  雨花はそう考えると夫の久方ぶりの 笑顔 を横から見て心が熱くなった。  祐人は恥ずかしさで顔を両手で覆っている。
メモキーワードまたはフレーズ: 領域が展開される
感情または反応: 面白い。最高
シーンの重要度: このタイミングでさらに2人の能力が目の当たりにされるのは胸がすく
ピンク色のハイライト | 位置: 2,209
「どうも、です。私は堂杜の 旦那 の友人で害意はまったくありませんのでご心配なさらずにお願いします。本当は表立って顔を出したくない事情があるのですが、旦那たってのお願いでしたのでこちらにお 邪魔 させていただきました」  大威たちは目を見合わせた。  吸血鬼などという大物の人外を友人に持つ能力者など聞いたことがない。  吸血鬼は魔力系人外の筆頭に挙がるほどの人外であり、S級の 脅威 を持つ者が複数いるというのは有名な話だ。  だが吸血鬼たちは目立つことを極度に 嫌い、人間社会に 紛れて生活して表にはほぼ出てこないはずの人外なのだ。  それをお願いされたから来た、というのはありえないレベルの話である。
メモキーワードまたはフレーズ: 黄秀雄の成長
感情または反応: 胸が熱くなる
シーンの重要度:いけすかない男と思っていた黄秀雄が魅力あるサブキャラになっている
ピンク色のハイライト | 位置: 2,759
(何のことかしら? でも好きな人を戦いに送り出す時って、どんな表情をしていいか分からないものね。え!? ええ!? 私、今、何を考えて……!?)  自分の中から自然に出た考えにもかかわらずニイナは 頬 を赤らめて 狼狽える。 「今度は僕の実力を偽善や酔狂じゃないって認めてくれたのかな。じゃあ、行ってくる!」  そう言うと祐人たちは開いた階段を 駆け下りていった。 琴 音 も 最後尾 で続く。  ――この時だった。  取り残されたニイナは目を見開き固まってしまった。 「偽善や……酔狂?」
メモキーワードまたはフレーズ: お願いされたから来たというのはあり得ない
感情または反応: 尊敬
シーンの重要度:ヒロトの強さを示すエピソード
ピンク色のハイライト | 位置: 3,109
「いるのよ」 「……は?」 「すでに私の中にはいるのよ、幻魔が。しかも 強烈 で強力でくそったれな奴がね。自分以外を認めない 傲岸 不遜、大欲非道、 支離滅裂 な奴よ。それが私が暴走する理由なの。こいつが怒るのよ、私が恐怖するとね」 「な、何を馬鹿な! それならとっくに皆が分かっているでしょう。そんな馬鹿な 大嘘 が」 「分からなかったのよ。分からなくても仕方がなかったというべきかしら」  秋華が世界のすべてを見下すような得も言われぬ笑みを見せた。 「私の中にいるのはね……斉天大聖よ」
メモキーワードまたはフレーズ: 偽善や酔狂
感情または反応: 繋がる
シーンの重要度:やっとニイナが思い出すか
ピンク色のハイライト | 位置: 3,208
(だからなのかもね、絶望の中に希望を捨てられないのは。堂杜のお兄さんがいるから私は生き残る道を 探るわ)   四天 寺家 襲撃 に巻き込まれたとき秋華は祐人が仙道使いであることを理解した。  滅多にいない仙道使いに驚きはしたが、それ以上に祐人個人に興味を持った。  その時は考えなかった。  だが、マトヴェイに 拘束 され何故だか結びつけてしまう自分がいる。  ここには【 憑依 される者】の起源に関わる斉天大聖と仙道使いと霊剣師がいる。  まるで奇跡を 成し遂げた黄家始祖の物語のようだと。
メモキーワードまたはフレーズ: 怒るのよ
感情または反応: 驚き
シーンの重要度:すでにいるとは、その展開は予想できなかった
ピンク色のハイライト | 位置: 3,491
「あ、ああ!」  祐人が常人 離れした動きで二人の蛇を倚白で横 一閃 ではじき、もう一人を上段 回し 蹴りで 頸椎 を叩き折る。  その 戦闘力 は自分と戦った時の比ではない。 (何だ……これは。俺はどこかでこの姿を……)  ふと、英雄の脳裏にどこかでこの姿を見たことがあるような 既視感 が 過る。
メモキーワードまたはフレーズ: 黄家始祖と同じ状況
感情または反応: 震える
シーンの重要度:奇しくも昔と同じ状況でおあつらえ向きの環境ができた
ピンク色のハイライト | 位置: 3,617
「いいか、これは 天衣無縫 が受けた仕事だ。行くぞ、亮。依頼は暴走したら〝私を殺せ〟だ」
メモキーワードまたはフレーズ: 既視感
感情または反応: 面白い
シーンの重要度: 黄秀雄も思い出すか
#readings #たすろう #かる