ダメージと回復場面のルール
肉体的な傷を負った場合に、キャラクターはダメージを受けます。ダメージは全てキャラクターの耐久力の減少によって表現されます。
■ダメージについて
キャラクターが受ける物理的なダメージが『傷害』です。傷害の原因は、事故や過失、乱闘の結果など、多岐に渡ります。『蒸気爆発野郎!』においては、現象の単純化のために耐久力の減少によって全ての傷害を表現します。耐久力の減少は、キャラクターの耐久力への影響を示します。しかし、必ずしも実際の傷の状態を示しません。耐久力は、大ざっぱなダメージの度合いを示すものです。
傷害は、耐久力が変化すると同時に、外傷や内傷についての描写が行われる場合があります。傷の状態などはこの描写によって決定されます。
■ダメージの規模とその効果
ダメージはその規模によって効果が異なります。ダメージは耐久力の減少と、傷の描写によって表現されます。軽傷と重傷の場合に限っては、特別なルールがあります。通常の傷においては、傷の描写に依存します。
1.軽傷
行動にほとんど支障の出ない多くの切り傷、擦り傷、刺し傷は、耐久力に1ポイントの影響を与えます。軽傷は複数のダメージが重なっても耐久力には1ポイント以上の影響を与えません。
2.重傷
キャラクターがダメージを受けた結果、耐久力の過半数が一度に減少するか、残り2点以下になった時点で、キャラクターは重傷となり、独力での行動は不可能になります。すぐにでも手当てを受けねば、命に危険が及びます。
3.傷の描写
傷の描写と傷を受けた部位によっては、耐久力に関係なく、様々なペナルティが科せられることになります。描写によっては、耐久力の減少を越えたペナルティが表現される場合もあります。その場合には、描写されるダメージが優先されます。例えば、腕を骨折した場合には、その腕は耐久力の値に関わらず使用不可能になります。
■医療機関の利用
キャラクターはダメージを受けた場合に、病院を始めとした医療機関を利用することでしょう。病院を始めとする医療機関は、近代以降の世界では必須となるでしょう。小さな負傷などは自力で回復することも可能でしょうが、大きなダメージの場合には、専門家によるきちんとした処置が必要になる場合がほとんどです。
■ダメージからの回復
キャラクターの受けたダメージは、時間経過によって回復します。この回復には『医術』技能の効果の併用を行うことができます。通常、キャラクターの耐久力は、1週間単位で回復のための判定を行います。
回復のための成功ロールは、【体格】能力値を用いて行います。この手続きを『回復ロール』と呼びます。プレイヤーは、【体格】能力値を基本値として達成値を求めます。
マスターの決定する目標値は『減少分の耐久力+2D6+難易度修正』で求めます。
判定に成功した場合には、その週に回復する耐久力は、回復ロールの成功レベルから求められます。失敗した場合にはその週には1ポイントしか回復しません。
成功レベル 回復する耐久力
0 1
+1~+4 1
+5~+8 2
+9~+12 2
+13~+16 3
+17-+20 3
+21- 4
■ダメージに対する『医術』技能の利用
耐久力の回復のために 《医術》技能を用いる場合には、その成功レベルを回復ロールの基本値に加算します。
《医術》技能の利用に対して、マスターの決定する目標値は『減少分の耐久力+難易度+2D6』です。この手続きで求められた成功レベルを、そのの回復ロールの達成値にプラスすることができます。
ただし《医術》技能の成功ロールで失敗したときは、以下の表に挙げられている影響を受けます。
成功レベル 回復する耐久力
-4 回復ロールに修正なし
-8 回復ロールに-4の修正。追加の負傷ダメージ1D3
-12 回復ロールに-8の修正。追加の負傷ダメージ1D6
■回復しない傷について
四肢を失った場合や、酷い傷を負った場合には、障害を受ける場合があります。その場合、耐久力ではなく描写によって傷の規模を表現します。「片足を引きずる」「視界が利かない」などです。行動などのペナルティは能力値に与えるか、成功判定の難易度修正に反映されます。