格子細胞
オキーフの弟子であるモーザー夫妻(May-Britt Mo-ser & Edvard I. Moser共にノルウェー生まれ)は、海馬に入力を送っている「嗅内皮質」に注目して場所細胞を探していたところ、単独で複数の場所に反応する細胞を見出した(<I>Science</I> 305, 1258-64)。しかもモーザー夫妻は、そうした複数の場所同士に関連があることを見逃さなかった。そこで、ネズミが走り回る範囲を十分広げてみたのである。すると驚くべきことに、一つの細胞が反応する複数の場所は規則的に並んでおり、三角格子(グリッド)の格子点に一致することが明らかとなった(右図)。これが「グリッド細胞」の発見であり、二〇〇五年のことだった(<I>Nature</I> 436, 801-6)。
つまり、グリッド細胞が描く地図は、個体の身体に固定されたものではなく、外界の目印を元にして決められているのだ
脳内に細胞レベルで対応を持っているってことかsta.icon
デジタル大辞泉「格子細胞」の解説
動物の脳内にある、方向感覚や相対的な位置関係を認識する神経細胞。海馬に近い嗅内野に存在する。2005年、ノルウェーの神経科学者エドバルト=モーセル、マイブリット=モーセル夫妻により発見。グリッド細胞。