ミルグラム実験
実験は大まかにいうと以下のようなものです。「体罰と学習効果の測定」で80名が被験者として参加し,隣室にいる生徒役の回答が間違うたびにより強い電気ショックを与えることを要求されます。もちろん,生徒役に電気は流れていないので苦しんでいるふりをしているだけです。うめき声がやがて絶叫となっても被験者は実験者が「大丈夫です」と言うのにこたえて強くし続けました。最終的に65%の参加者が命の危険がある450Vのショックを与えることになりました。ミルグラムはこの実験をさまざまな状況で行いましたが,61~66%の範囲の人たちが致死の電気ショックを与えたということがわかっています(Blass,1999)。
この実験結果の意義づけは難しいものがあります。しかし,ジンバルドの監獄実験の知見などとあわせて,権威や役割が容易に深刻な暴力的行為につながることを示し,人間観の再構築に大きな影響を与えたといえるでしょう。
誰でも残虐になるんじゃね?という着眼点すごいなsta.icon
「アイヒマンはじめ多くの戦争犯罪を実行したナチス戦犯たちは、そもそも特殊な人物であったのか。それとも妻との結婚記念日に花束を贈るような平凡な愛情を持つ普通の市民であっても、一定の条件下では、誰でもあのような残虐行為を犯すものなのか」という疑問が提起された。この実験は、アイヒマン裁判(1961年)の翌年に、上記の疑問を検証しようと実施されたため、「アイヒマン実験」とも言う。
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実験の結果は、普通の平凡な市民でも、一定の条件下では冷酷で非人道的な行為を行うことを証明するものであった。そのような現象をミルグラム効果とも言う。
実験について
生徒役はサクラで演技するだけ(電気も実際は喰らわない)
白衣の権威がいて「いいからやれよ」を後押しする
被験者が実験の続行を拒否しようとする意思を示した場合、白衣を着た権威のある博士らしき男が感情を全く乱さない超然とした態度で次のように通告した。
続行してください。Please continue or Please go on.
この実験は、あなたに続行していただかなくてはいけません。The experiment requires that you continue.
あなたに続行していただく事が絶対に必要なのです。It is absolutely essential that you continue.
他の選択肢はありません、あなたは続けるべきです。You have no other choice; you must go on.
1から4の通告の間に、被験者が拒否をみせると「体に後遺症を残すことはありません。」「責任は我々がとります。」
4度目の通告がなされた後も、依然として被験者が実験の中止を希望した場合、その時点で実験は中止された。