いいかげん朝会なんてやめたら?
朝会はそもそも負担もストレスも高いやり方である
1 全員をその時間の間、拘束し続けるから
2 下手すると場所も拘束する(リモートを許さず出社させるとか)から
3 毎日1予定+集中できないというデバフがかかるから
その時間に集まらないといけないため、
実質「予定」であり、毎日一つの「予定」を抱えた状態になっている
すっぽかさないよう「集中しすぎて忘れた」を防がないといけない → 集中できない
4 その癖、口頭で一人ずつ伝えるため情報密度が薄すぎて、大部分が手持ち無沙汰になるから
リーダーと今喋ってるメンバーの二者以外は手持ち無沙汰
時間がもったいない
5 リーダーもメンバーも疲弊するから
まずリーダーはその場で意思決定していかないといけないため、回答も表面的・一般的なものになる
が、それだとあまり意味がないし、それで割り切れる人も少ないため、実際はその場で深掘りや脱線を始める。時間が伸びていく
ここがメンバーにとってストレスだが、リーダーは「自分は苦労しているのだ」という悲劇のヒロインに酔いしれており(そもそもメンバー全員分の意思決定が割と無理ゲーなので病む、病むのを防ぐために露悪的・自虐的なムーブに逃避する)、他メンバーの退室を許さない。これを「情報共有の場でもあります」「皆もメンバーなので皆の情報を把握しましょう」などと正当化する
もちろんこれではリーダーがボトルネックになるが、メンバーも抗えずおとなしく順番待ちをする
こんな状況で仕事がうまくいくことは少なく、ストレスが募って次第にぎすぎすしはじめる
人間なので拠り所がないと辛い → 皆一緒に長時間頭を悩ませています、という儀式に精を出し始める → 朝会が毎日1時間とか2時間とかいった馬鹿げたことになる
朝会が通用するのは以下のシチュのみ
1 作業世界。タスク(やると確定したTODO)がハッキリしており、疑う余地無く取り組めるような世界のこと。
2 日次世界。サービス業など日単位に区切りがあって各日を乗り切ることを繰り返すような世界のこと。
3 支配世界。全知全能神的なリーダーがいて、その人がメンバーに直接干渉しているような世界のこと。
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1における朝会は、進捗会議になる
進捗確認としてベストな塩梅は日単位
時単位以下はマイクロマネジメントすぎて破綻しがち
ただしこれが求められるシチュもある(アイドルのダンスレッスンなどその場でフィードバックするものが典型例)
かといって週一週二では長過ぎる
一日単位がきりももいいしバランスが良い
一日の最初にやるなら朝会、終わりにやるなら夕会になる
一日の半分くらいで確認しようかとする昼会もある(が朝か夕が多いとは思う)
2における朝会は、儀式の場になる
全員集まっているという「場」の強制力で、その日何に重視すべきかに意識を向けさせる
また仕事自体がそもそも大変で「スイッチを切り替える必要性」が多かれ少なかれあるわけだが、この場がその儀式の場にもなる
3における朝会は、フォローの場になる
リーダーは忙しいので「一定の時間枠を取ってその間にベストエフォートで皆をフォローする」やり方を好む
これも1と同様、バランスが良いのが日単位
かつ朝が一番落ち着いているし、皆揃っているので朝会が好まれる
ただしリーダー次第でどうとでもなる
唐突に集合させることもあるし、聞きたいときに聞く(割り込む)ことを当たり前にやる無能もいる
ひどいとそれを「メンバーとのコミュニケーション♪」と正当化している
気に入らない社員を晒し上げたり、恐怖政治的に威圧の場にしたりしているクズもいたりする
一見すると無難な朝会であっても、目的もなく何となくで「コミュニケーションのためだから」と律儀に毎日茶番めいた会を開いている、なんてケースも珍しくない
で、俺たちはデスクワーカーでありナレッジワーカーである
デスクワーカー。基本的にデスクで仕事が完結する人。PC、スマホ、インターネット。リモートワークやフレックスもしやすい。
ナレッジワーカー。勉強(何かを読んだりノート取ったりが必要なインプット)、要約(複雑な情報をわかりやすくまとめて伝える)、創造(新しい知識や概念や仕組みや道具をつくる)が日常的に発生する人。
以後この前提で話を進めますsta.icon
上記の三世界に該当する仕事(三世界的な仕事、仮にオールドワークと呼ぼうsta.icon)ってあるか?
いや、もちろんあるけど、三世界的な仕事ばかりじゃないでしょ?
たとえば以下があるでしょ
1 ゴール(達成すると確定した目標)は決まっているが、手段は決まっていない仕事
2 ゴールも決まっていない仕事
3 手段は決まっているが、ゴールが決まっていない仕事
少しわかりづらいが、たとえば「ChatGPTを使って何かしよう!」等
これらを仮にニューワークと呼ぼうsta.icon
むしろニューワークの方が多い人も多いのでは?どう?
ここで問題です、ドドン。
『ニューワークに朝会は必要でしょうか?』
答えは『不要』です!
朝会でも回せないことはないが、オールドワークのやり方を安直に適用するのは場違い
ニューワークにはニューワーク用の道具がある
ニューワークで朝会に頼るのは、(たとえばスマホやPCのボイチャを使わず)オフィスの固定電話だけで通話を行うようなもの
できないことはないが賢くない。n人が1本の固定電話を取り合う世界。原始的でボトルネック一直線である。
続いて道具の紹介に行きたいところだが、いきなり紹介しても難しい
そこで考え方を紹介する
1 安直にゴールやタスクをつくるな
とりあえずゴール決めて、タスク決めて、分担してそのとおりに進めましょう的な計画主義は未だに蔓延っている
未来のことなんかわかるわけがねえのに
最初に決めた計画の進捗管理に精を出す、という本末転倒をする
じゃあどうするか
思いつくままに洗い出せ
俺はこれやってみるわ、私はこれやってみますね、と適当に取って進めてみろ&その結果を共有しろ
何もかもわからんけど、とりあえずその辺を探索してみますわ、というわけだ
そうすることで色々見えてくる
見えてきたら、改めて何するかを話し合えばいい
もちろん無限に探索してると遊びにしかならないのでどこかで区切る
例: 最初の一ヶ月は探索にしよう、ただし週に一回、探索要否を決める会議をしよう
2 非同期な情報共有やコミュニケーションを覚えろ
1を行うためには「各自が情報を残す」「それを読む」「参考にしたり書き足したりする」といった営為が必要
口頭だけではできないし、チャットだけでもできないし、WordやExcelやメモ帳といった形でファイルつくってそれを共有する、でもまだ足りない
ウィキという「情報を読み書きするためのプラットフォーム」が要るsta.icon
その辺のウィキでは実はまだ足りない
これに耐えうる設計を反映した「現代的なウィキ(ビジネスウィキ)」が要る LINEだけでは仕事には通用しないからTeamsやSlackといった「ビジネスチャット」がある、同様にウィキにもビジネス用のウィキというものがある
メンバー全員がこれを使いこなせるようにならないといけない
PCやスマホが使えないと仕事できないのと同じ
仕事はギッチギチに詰め込めばいいってものじゃない
そもそも毎日8時間勤務してその間はずっと仕事している、というモデルからしておかしい
別に「今日は2時間集中して働いたので終わり」があってもいい
逆に「ちょっとノッてるので12時間働いたわ」があってもいい
どういう塩梅で仕事すればベストパフォーマンスになるか、は人によって違うが共通事項はある
それは「2の非同期が行える状態」が「できるだけ恒常的に確保されていること」
これは言い換えると「非同期を行える余裕(スラック)がある状態」と言える
スラックを担保すると、過ごし方は以下のようになる
一日一件も会議がない、が当たり前にある
かといって全く喋らないわけではなく、必要に応じて会議は開催する
雑談したりゲームしたりで二時間くらい費やしちゃった、もよくある。一方でそういうのをほとんどしない人もいる
喋る人は喋るし、喋らない人は喋らない。でも仕事は進められる。少なくとも非同期の部隊となっているウィキには必要な情報が全部ある
みんな余裕があるから相談にも乗りやすいし、自発的にあれやろうこれやろうも起こりやすい
みんな自分の働き方で働けているから生産性が高い、満足度も高い
まとめ
朝会は前時代的なやり方です
依然として必要なシチュエーションもありますが、あなたの仕事に朝会は必要ですか?要らないんじゃないんですか?
ピンと来ない人
「スマホやPCは使えません!」くらいに「遅れてる」ので、頑張ってキャッチアップしてください
もしくは、できないなら、できる人に任せた方が良いでしょうね
ピンと来る人
あなたの感性は間違っていません
遅れてる人たちに引きずり込まれないよう注意してください
もし余裕があるなら、遅れてる人たちも救ってあげてください
対象外(朝会が必要なシチュ)の人
頑張ってください