To(3つの拘束)
3: 話題を突破する(To)
To は以下を意味する。
話題を突破する
場所と時間は突破しない
たとえば研修における個人ワーク、打ち合わせやイベントにおける投票タイムなどはこれである。
※To は直感的に理解しづらいものだが、図書館でn人が各自の自習をしているシーンを思い浮かべてもらいたい。あれもまた To である。つまり To とは 同じ場所かつ同じ時間を過ごしているが、各自やっていることは違うし、お互いに干渉しない ものだ。また、ヒソヒソ話をするなど、必要な人は緩く干渉することもできる。
To が向いているのは、共同作業(会議含む)における個人ワークの確保である。逆に、個人の域を超えた決定や連携には向いていない。
To が成立するのは、To が行えるという前提(To ルール)が場に共有されているときだけである。そもそもコミュニケーションはリアルタイムで双方向なものであり、原理的に To が存在しない。To ルールがなければ、人はリアルタイムかつ双方向なやりとりをしようとする。特に日本は階層主義(上司に逆らわない。たとえば上司の前で自分だけ違うことはしない)かつ合意形成主義(全員からの合意を取って初めて先に進む)であるため、自発的に To が発生することは稀である(※1)。
To の有効性は、チームの(To に関する)知識と経験に依存する。たとえば「全員が同じオフィスかつ同じ時間帯に出社するが、口頭での会話はよほど必要なとき以外はしない」というスタイルがあったとして、これに同意できるだろうか。これで仕事が回ると思うだろうか。知識と経験がない場合、No と即答するだろう。一方、有している人なら Yes と答えられる。要するに、To はコミュニケーションの原理(リアルタイムと双方向)から背くものであり、自然に身につくものではない。 To はスキルである。訓練しなければ、使えるようにはならない。