最速短歌入門
基本ルール
短歌は五・七・五・七・七の音の組み合わせ
この星の|オアシスとして|ゆるやかに|眠れる水を|湿原と呼ぶ /俵万智
この区切り方で音読したときに気持ちいいこと、が短歌の根本なので意識するとよい
各句ごとに音が多いものを字余り、少ないものを字足らずという
「この味が|いいね」と君が|言ったから|七月六日は|サラダ記念日 /俵万智
これは五・七・五・八・七の字余り
音は文字数ではなく拍数でかぞえる
「てぃ」や「きゃ」のような拗音はまとめて1拍扱い
逆に、長音(ー)や促音(っ)は単体で1拍に数える
例: 「レモンティー」は 5拍、「キャップ」は3拍
表記法
句ごとの改行・分かち書きはしない
例: 「雪の降る町であるから降っているこれらはすべて雪なのだろう(青野ゆらぎ)」を、以下のように各句ごとにスペースをあけて表記するのはNG
雪の降る 町であるから 降っている これらはすべて 雪なのだろう
現代短歌のもっとも大事なルール
逆に、意図的に全角スペースをいれることはよくある
クリスマス・ソングが好きだ クリスマス・ソングが好きだというのは嘘だ/佐クマサトシ
カッコ、句読点、その他の記号なども使ってよい
声のない世界で〈海だ〉と僕は言う きみは〈雪だ〉と勘違いする /青松輝
喫煙は、あなたにとって高めます。より強めます。ひとつとなります。 /新上達也
錐・蠍・旱・雁・掏摸・檻・囮・森・橇・二人・鎖・百合・塵 /塚本邦雄
字余り・字足らずについて
字余りは割となんとかなる
何文字余っているか?を気にするよりは、5つのかたまりに区切って読んだときに読みやすいか(変なところで言葉が切れていないか)を気にしたほうがよい
たとえば「サラダ記念日」の歌は字余りだが、五・七・五・八・七の5つのかたまりのそれぞれに言葉が収まっているため、それほどトリッキーな感じはしない
「定番の字余り」みたいなやつもある
たとえば七・七・五・七・七
馬を洗はば馬のたましひ冱ゆるまで人恋はば人あやむるこころ /塚本邦雄
夜にもっとも頼れる脚のリストからあなたが借りてくる青い馬 /甲斐
字足らずはなんとかならないことが多い
読んだときのリズムが不自然になる
つんのめるような、息を飲むような効果を出すことはできる
テーマ詠について
flatlineでは毎月「テーマ詠」をしている
与えられた単語からイメージされる内容で短歌を作ること
単語そのものが短歌に含まれている必要はない
単語が短歌に含まれていないといけない形式は、「題詠」といって区別する