オルタナ右翼(alt-right)について
イマイチよく分からないので,とりあえず reblog から。
オルタナ右翼(alt-right)とは
だから、「アメリカのネトウヨ」なわけだ。ちなみにalt-rightは若者による運動と言われることもあるが、平均年齢は3〜40歳程度と比較的高めであるとも言われている(ただし、これには諸説ある)。
反フェミ、反多文化主義(ようするに移民排斥)、反PCはalt-rightの根幹であり、相互に関連している。これは、一言で言えば「自分が言いたいことを言えない」ということへの不満なのだと思う。言うとリベラルに言葉狩りされ、人非人のごとく糾弾される(と、少なくとも当人たちは思っている)。こうしたことへの不満がalt-rightを駆動する最大のエネルギーなのだ。
裏を返せば、白人を中心とするalt-rightは、すでに自分たちがマイノリティだと思っているのである。これが、移民や多文化主義への嫌悪、排外主義につながっている。
アメリカのレイシズムというと黒人差別という印象が強いのだが、私が見たところ、むしろ「平等の否定」あるいは「格差の肯定」のほうに力点が置かれているように思う(ので、黒人やユダヤ人のalt-rightというのも皆無ではない)。先に書いた新反動主義の一部のように、人種差別というよりは能力差別、知能差別に力点を置く派もある。
alt-rightはペイリオコンとは比較的相性が良い(なので、人によってはペイリオコンの後継者がalt-rightだという見方をする人もいる)。移民の問題、あるいはジェンダーというか男らしさ女らしさの問題、リベラル嫌悪などでは共闘できる。しかし、alt-rightは宗教的戒律を重視しないので、多くがLGBTQ支持、同性婚支持、妊娠中絶支持、ドラッグ合法化支持であり、快楽的なライフスタイルを好んでいる。この点でペイリオコンとは同調できない。
トランプの台頭は、もう一つの興味深い事実も示唆している。それは、共和党支持者の大多数は、実のところ別に共和党の主流思想の支持者ではなかった、ということだ。彼らはなんとなく民主党がイヤなので共和党、という程度で投票していたのであって、自分たちの嗜好によりマッチする候補者が出てくれば、そちらに投票する。トランプはこうした共和党支持層の中のサイレント・マジョリティをうまくつかんだのである。
そしてこのサイレント・マジョリティこそが、alt-rightの培地ともなっているわけだ。
リベラルの言う「多文化主義」は実際にはグローバルな上位文化と雑多な下位文化群を分断し,(人種や文化といった)アイデンティティを安定させるためにそれぞれのカテゴリに引き籠らざるを得なくなる。それは結果的に「排除型社会」を加速させている。
「多文化主義」が寛容や多様性を示すと考えるのはもはや「大いなる勘違い」でしかない。
そうした意味で alt-right はむしろ「多文化主義」社会の申し子のようにすら見える。
「オルタナ右翼を考える」より
オルタナ右翼が今までの保守派と違うのは、反宗教という点です。アメリカの保守勢力の中核を成してきたキリスト教保守に対して「進化論を信じないで聖書ばかり読んでいる馬鹿」と言う。進化論はオルタナ右翼の優勢主義思想と結びついてもいるんですが。また、伝統的な、保守派はゲイに対して反対していますが、それについても反発しています。マイロ・ヤノプルスやピーター・ティールのようなゲイのオルタナ右翼もいますから。
ただ重要なのは、彼らは半分ジョークでやっているということです。ネタなんですよ。共和党議員の写真を面白おかしいコラージュにしたり、基本的にふざけています。熱狂的で狂信的なところは全くなくて、ニヒリスティック。「真剣に信じるべきものなんてないんだ」というスタンスで、ポリティカル・コレクトネス、政治的正しさというものも上から見ている感じです。
「「オルタナ右翼」と日本文化の親和性」より
社会心理学者ジョナサン・ハイトによれば、保守的心理とは「多様性よりは同質性、変化よりは安定、平等主義よりは階層と秩序」を重んじることである。ブライトバート・ニュースのイァノプロスらによれば、オルタナ右翼の中核である本来的保守主義者は、この心理を強く抱いているという。「同質性、安定、階層秩序」こそ、オルタナ保守と日本文化の親和性の核なのかもしれない。