希望の党に排除されたのは、「リベラル派」ではなく、「冷戦時代からの改憲反対派」なのではないか
日本では冷戦終焉後、保守vs革新、という言い方が、時代遅れになった。「革新」政党と呼ばれた社会党が没落したため、「保守vsリベラル」という、アメリカの共和党と民主党の対立軸の丸ごと輸入の言い方が導入されることになった。しかし全く内実の伴わない「横文字を縦にする」かのような輸入ものの表現であった。そのため、何が「リベラル」なのかは、全く不問にされた。現状は、ただかつての「保守vs革新」が、「保守vsリベラル」と呼び換えられただけの状況だ。
そもそも「Liberal」という言葉も、アメリカ社会において初めて意味を持つ言葉だろう。
「絶対に9条を変えるな!」「安保法制は許さない!」などと叫ぶと、なぜ「リベラル」、つまり「自由主義的」だったり、「価値観において寛容」だということになるのか、全く不明である。しかも標榜する価値観が「アベ政治を許さない」くらいしかないので、盲目的にアメリカの政治文化の輸入でカタカナ言葉を使うくらいしか、自分たちの立場を表現する手段を持っていない。