「科学者がいま、福島の若い世代に伝えたいこと」より
福島で実際に人々が生活している地域より自然放射線の量が多い地域なんていくらでもあります。福島は、外部被曝も内部被曝も日本の他の地域、世界各国と比べてもまったく問題ない。
いま、福島県で流通しているものをどれだけ食べても、他の地域と比べて問題になるような内部被曝はありえません。
そのときに大事なのは、「自分の言葉で語ること」だと思うんです。泣き寝入りする、福島に生まれたから仕方ないと思うではなく、ちゃんと自分たちの状況を説明できること。できれば、自分のデータも説明できるようになったほうがいいと思っています。
広島、長崎の「被爆者」を対象とした疫学調査が、放射線防護の知見にどれだけ生かされているのか。その重みを受け止めないといけないと僕は思う。
将来にわたって、福島の子供たちが結婚、出産するときに被曝の影響はない。これが広島と長崎の経験からわかっていることです。
それなのに「自分の子供を産めますか」がまだ問われているんです。強い言い方になりますがね、一番の問題はここにあるって思えよって声を大にして言いたいんです。
いま、内部被曝を心配する人で、1年で1mSv被曝するだけのセシウムを食べることがどれだけ大変なのか、知っている人はどれほどいるのかなぁ。福島県産で、それだけ食べられる人はいませんよ。
福島県内を駆けずり回るイノシシを捕まえて、毎日おなかいっぱい食べたところで、達しないでしょう。不可能なレベルです。関係者のものすごい努力で、ここまで低いレベルにあることを忘れてはいけないんです。
絶対に確認しておかないといけないのは、廃炉をブラックボックスにしてはいけないということです。
次に、誰が廃炉を最後まで担うのかということ。それは僕たちの世代ではないし、現役の東京電力の幹部でもないということです。
福島高校の生徒たちは、遅かれ早かれ、自分の言葉で福島を説明しなければいけなくなる。それならば、ここで勉強しておくことは決して無駄にはならない。
東電の意見を代弁する存在ではなく、彼らは自分の言葉で語らないといけない。
東大の早野龍五教授へのインタビュー記事。
そういえば,日本でネットの「嘘ニュース」が問題になり始めたのって 3.11 からのような気がする。
確かに大きな災害の後は流言飛語が飛び交うものだ。それがネットに乗った時にどのように拡散・消滅していくか。
福島の事例はとても重要だと思う。
ポイントは「データ・ジャーナリズム」と「リスク・コミュニケーション」だと思う。