「トランプ大統領の対外政策が目指しているもの」より
2001年にブッシュ大統領は、「either with us or without us」という言葉で代表される「ブッシュ・ドクトリン」を表明し、いわば世界的規模の「モンロー・ドクトリン」の確立を目指す姿勢を鮮明にした。しかしそれが非現実的な夢物語であったことを、アメリカ国民こそが強く感じているのが、現在の様子である。
21世紀版の「モンロー・ドクトリン」の適用範囲の修正が必要なのである。トランプ大統領は、決して単純な「孤立主義者」ではない。そのことは、彼の外交が、大西洋の反対側でEUから離脱する島国であるイギリス、太平洋の反対側で中国と対峙する島国である日本の首脳との会談から開始されたことによって、示されているように見える。