「ジョセフ・ヒース『トランプ大統領についての省察』」より
この記事の考え方でいくと日本は既に似たような経験をしている。
旧「民主党」への政権交代だ。
当時は「小泉政権以後」の自公連立政権の無能っぷりに飽き飽きしていた。
それ故に旧「民主党」への期待感が強かったのは確かだ。
政治的には未熟でも自民党(や公明党)よりはマシであろうと。
その結果はみなさんご存知の通り。
しかもそれに 3.11 が追い打ちをかけた。
そうして政権は自公連立に戻り安倍政権の長期化となるのだが,これは必ずしも安倍政権が支持されているからではなく,彼より上手くやれる人がいないという点に尽きるだろう。
民進党はもちろん(蓮舫氏が党代表になったということ自体が民進党に政権担当能力がないことを印象付けるものだ。私は民主党政権時の「事業仕分け」における彼女のスパコン批判を忘れてないよ)自民党の中にもいないのだ。
というか日本の「内閣総理大臣」はまるで学校の「クラス委員長」のごとき立場に堕している。
政治的野心の強い人が果たして「内閣総理大臣」を目指すのか? そういう意味で安倍総理は実に担ぎやすい御輿である。
そこからの連想で考えると,トランプ大統領が4年ももつのか? と考えたくなる。
しかし,個人的にはトランプ大統領に対するメディアの報道は全く信頼できないと考える。現在のトランプ批判報道の多くは日本でもよく見られる「政治家への揚げ足取り」にしか見えない。
日本ではその「揚げ足取り」な報道によって自公連立政権がつぶれ民主党政権がつぶれ,さらに現在も安倍政権で行われているが,そのことが私たちの目を曇らせてもいるのだ。
トランプ氏が政治的に馬鹿なのは分かりきった話で,それでも彼が大統領になっちゃったんだから,これからどうやって彼をコントロールするかという話になるだろう。
その意味で安倍政権とトランプ政権はちょっと似てるかもしれない。