「すごーい!の連続、『けものフレンズ』チームに3万字インタビュー」より
梶井:自分たちはいままで、自分たちが「いい」と思ったものを信じて作ってきました。でも、今回の体験を経て、実際に視聴していただくのはタイヘンなことなんだなとわかりました。こちらから一方的に情報を流すだけじゃ効果は出ない。
梶井:原作である動物のことを考えて作品を作っているので、例えば「タスマニアデビルの遺伝子が進化した」なんて情報をRTしたり、多摩動物公園を取材したときに撮影した動物の写真をアップしたり、動物が好きなファンの方々に喜んでいただけるような、有益な情報を発信するようにこころがけています。公式アカウントをフォローしたのに、延々とグッズやイベント、アニメの情報が流れてくるだけだったら広がりがないしおもしろくないじゃないですか? キャラクターやアニメをきっかけにあるモノに興味を持って、さらにその人の世界が広がってくれたら、モノ作りをしている人間にとってこの上ない喜びですよ。
梶井:アニメ作品に限りませんが、たいていは1クールなりで終わって、それまでです。仮にBDやグッズ、原作本が売れて、海外にも番組が売れて大成功となって2期やりましょうとなっても、結局は消費されるだけの運命です。『けものフレンズ』は、そういう作品にはしたくなかった。
福原:それこそお話のプロットをいくつか作って、吉崎先生に読んでいただいたんです。あのときは深夜の「萌系アニメ」や「バトル寄りのお話」もあったんです。でも、すべてなくなって、いまのカタチになりました。萌系アニメやバトルアニメはテンプレートがあるので、みんなにとってはわかりやすいんですけどね。
――テンプレート通りの作品だったら、いまのブームは来てなかった?
梶井:来てたかもしれませんが、3ヵ月で忘れられると思います。それが「消費されるアニメ」だから。とか偉そうに言ってますが、いまの『けものフレンズ』もどうなるかわかりませんけどね(笑)。