知識とチャンク
(執筆中・・)
情報の断片が「ひとまとまり」であるとは、どのようなことでしょうか。ここではその様態について都度追記してゆきます。
人がある情報の断片を「ひとまとまり」であると思える時の
分量
方式(記述媒体、書式など)
その理由(一貫性、完結性、読みやすさ、参照性、その他の使いやすさなど)
・・・
そうしたことを整理しながら、個人の知識管理を計算機に手伝ってもらいながら進める方法を考えます。
私は開発者なので実装が前提となります。
このページもそうした「ひとまとまり」の一様態となるはずです。まずは思いつくままの書き出しですが、都度、別のページへの切り出しとリンクが行われて一定の粒度になってゆくと思います。
ひとまとまりであること、その名前
このまとまりやその様態のことを一般的になんと呼ぶでしょうか。
一塊なのかもしれませんし、計算機寄りの用語ではチャンクかもしれません。方式で呼ぶならば、メモやカード、ページ、あるいはそれを束ねた島(KJ法)や冊子体(codex)も視野に入るかもしれません。文章理解における結束性(cohesion)や一貫性(coherence)、オブジェクト指向におけるカプセル化など、こと情報を扱う分野ではミクロとマクロを行き来しながら様々な意味と名づけが行われています。
あまり話を広げるとそれこそひとまとまり(?)の話にならない気がしますので、個人的に興味があるところを中心に進めます。
わたしとしては、国語辞典の項目のように見出しと内容が一貫して、あまりはみ出した内容にならない状態よりは、ブログで書くようなエッセイに近い、タイトルとそれに関わる雑多な文章が綴られてゆく様子に興味があります。
こういうエッセイのなかに知識の種があって、育てることができるのではという思いから、このエッセイ情報のひとかたまりを知識カードと呼んだことがありました。だいぶ昔に書いた博論のなかで、また名付けは指導教官の先生ですが、個人的に思い入れがあります。
知識カードの方式はタイトルと本文を組とする電子テキストデータで、本文は1段落か2段落程度、あるいはPowerPointのスライド1枚程度が目安です。
背景には梅棹忠夫の京大カードがありますが、カード型の情報を人工知能処理のソースとしたり三次元地図にマッピングすることで、2000年代の新しい使い方を提案できたと思っています。
以降、分量感、完結性についてはこの知識カードに基準点をおいて、やや計算機よりの呼び方でチャンクという言葉を使いながら、さまざまな文脈におけるチャンクを見てゆきたいと思います。
知的生産におけるチャンク
カードを用いた知識創造の活動は研究者を中心に行われてきましたが、それを体系化したり、おびただしい数のカードを用いた実践によってその手法を語らしめた先達がおられます。
梅棹忠夫と京大カード
川喜田二郎とKJ法
Niklas Luhman と Zettelkasten (英:slip box)
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マイクロコンテンツにおけるチャンク
電子的に執筆されたマイクロコンテンツは、一つ一つが断片的でもタイトルやタグ、日付、ハイパーリンクを伴ったコンテンツの蓄積と検索によって、時系列やカテゴリによる分類、ストーリーのあるリスト構造など強力な表現力を持っていました。とくに、書き手の意図をツリー構造やタイトルのほかタグで表現できることは発見だったと思います。
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アウトライナーにおけるチャンク
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Wiki の文脈におけるチャンク
Wiki
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Stickies
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Sticky Creativity: Post-it® Note Cognition, Computers, and Design
ACM Digital Library より、A Survey of the Usage of Sticky Notes (サーベイ論文)
Mads Molloer Jensen, Remediating a Design Tool: Implications of Digitizing Sticky Notes
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京大カード、情報カード
野口杏奈、田中二郎、付箋メタファに基づくプレゼンテーション設計インタフェースの検討
Kentaro Yasu, Masahirko Inami, Move-it: interactive sticky notes actuated by shape memory alloys
付箋紙が物理的に動く。稲見研。
本の歴史におけるチャンク
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冊子体と空間的記憶
岡田謙一、松下温、本メディアを越えて:BookWindow
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レオナルド・ダ・ヴィンチの遺したノート(codex)
データベースにおけるチャンク
トランザクションと原子性(Atomicity, Atomic)
オブジェクト指向におけるチャンク
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文章理解におけるチャンク
結束性(cohesion)
一貫性(coherence)
デジタルデスクトップにおけるチャンク
Pile メタファー
Richard Mander, A 'Pile' Metaphor for Supporting. Casual Organization of Information, CHI'92
Data mountain
Robertson, G., Czerwinski, M., Larson, K., Robbins, D.C., Thiel, D., Dantzich, M.V., "Data mountain: using spatial memory for document management", Proceedings of the 11th annual ACM symposium on User interface software and technology(UIST '98), pp.153-162, 1998.
知球
空間表現・情報可視化におけるチャンク集合の取り扱い
空間とメンタルマップ
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