魔女狩りのヨーロッパ史
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そこで本書では、一五世紀から一八世紀のヨーロッパに輩出した厳密な意味での魔女と魔女迫害を対象とする。
妖術師:男性の魔女
1章 魔女の定義と時間的・空間的広がり
魔女狩りの対象となった"魔女"
もちろん実在しない
悪魔と契約を結び、キリスト教の神を拒否し悪魔に忠順を誓って臣従する
そのかわりに授かった妖力を駆使して人間・動植物に危害を及ぼす
元々は何の力も持たない
自由意志で悪魔と契約する魔女もいる
そのような魔女は組織立って行動すると想定されてきた → 異端セクト
悪魔は女性の心の弱みに漬け込む
孤立している
魔女が塔に一人で住むのって元からなのか(ただし、これは異端セクト化していない魔女なので本来の魔女といえない)
貧窮している
しばしば美少年などに化け、たぶらかす
すると悪魔は、魔女の自分への忠誠の証として彼女の身体のどこか、隠れた部分に刻印する。
淫紋じゃん
契約書は、魔女の自宅を探しても見つからない。というのも悪魔によって不可視にされたからである。
潔白の証明はどうしようもないじゃん
異端セクト化
セクトは section(小さなまとまり)のこと
魔女らの集団のこと
魔女はいつから魔女と呼ばれたのか
最初は「異端」の一派として裁かれた
魔女としてのアイデンティティ, レッテルはなかった
悪魔教信者=背教者 の一部
とくにカタリ派などは善悪二元論に近づき、その結果、悪魔の邪悪な企みと悪しき創造力の規模を宇宙大に想定して、悪魔゠悪神を激しく嫌悪・恐怖した。ところがその宇宙での善神と悪神の互角の戦いの教義のせいで、カトリック側によって彼ら自身が悪魔教徒と指弾されたのである。
草
魔女が使う害悪魔術
魔女の大半は農民だったので農村の日常生活を脅かす害悪魔術を使うことが多かった
個人レベルのもの
頭痛とか下痢、関節炎など
子どもが標的:先天性障害を与える
広域なもの
天候魔術:大雨・嵐
穀物果実を別の畑に移す移送妖術
害虫の大量発生
これらは地域の複数の共同体の魔女の仕業だと考えられていた
母性にまつわる魔術(アウスブルクでの例)
生理
不妊
子どもが干からびる
「悪しき母」
とくに教皇グレゴリウス九世が一二三三年の教書で悪魔の仲間と断じたヒキガエルは役に立った。それは夫婦を仲違いさせる性魔術に使えるし、その排泄物を棒に塗れば飛べるようになると考えられたのだ。
空飛ぶホウキってこれが元なのか?
かなりエグい
なぜ魔女は年老いた女性ばかりなのか?
フェミニズムの立場からは「男性の女性に対する、とりわけ老女に対する犯罪」 女嫌い
そして女性の性格・悪徳としては、愚昧・淫乱・狡猾・策略・欺瞞・忿怒・貪欲・狭量・喧嘩好き・復讐心・無駄話・強情・悪罵・叫喚・詮索癖・嫌がらせなどが挙げられる。
知的エリートらの間にあった畏怖でもある
肉体への神秘と表裏一体
チー牛わらわらで草
キリスト教的伝統だった
聖書の過剰解釈で古代末期・初期中世の教父らが作り上げ、中世の神学者・修道士が引き継ぎ拡大した
女性は淫らである、悪魔は淫らである、老いた女性は性欲解消ができない、よって老婆と悪魔がくっつく
「エロい身体してこの淫乱雌犬が!」と一緒でおもろい
魔女狩りの政治状況
山岳・渓谷・森林地帯で多かった
main: 複雑な地形により政治行政が入りにくく、支配形態も複雑であった
法・権利関係が錯綜していた
魔女狩りが発生すると止められない
中央集権では地域の魔女狩りにお墨付きを与えて威信を保つ程度のことしかできなかった
sub: 神秘の里で、異教と迷信が多かったからとも考えられる
魔女迫害が少なかった地域は中央集権制が貫徹していた
平野の地域
統一された法
独自解釈を避けた
2章 告発・裁判・処刑のプロセス