呪術廻戦の語られ
インターネットにおいて呪術廻戦は、あるいは少年マンガの能力バトルモノにおいては、その能力システムの完備性あるいは不完備性について語られるのみであり、その現実との接続や批評的な意味が語られることが少ないことに危惧を覚えている。
宿儺と五条悟の決戦、そしてその後に続くキャラクターたちの死闘は、あの時ああしてればよかったじゃん、ああしてれば勝てたのにとスポーツ観戦をする観客がごとく語られをしている。
私たちは誰しも小学生あるいは中2の時に、もし能力を使えたら(それはカメハメ波、ゴムゴムのピストル、螺旋丸と継承されてきた)に没頭してきている。能力バトル作品の能力設定とは、実現しないスポーツのルールであり、実現しないが故に誰しもが誰しもの中で最強であることができる設定の群である。各々の妄想の中で、新たな海賊や忍び、ヒーロー、術師を作っていて、そのキャラと既存キャラの対決を夢見ている。