二上山
《當麻寺》
當麻寺は、古代大和の“西方”に位置し、白鳳・天平様式の大伽藍を有する古刹。金堂の弥勒仏や四天王、梵鐘などの白鳳美術を今に伝えるほか、古代の三重塔が東西一対で残る全国唯一の寺としても知られています。
本尊として祀られる「當麻曼荼羅(たいま・まんだら)」は、奈良時代、藤原家の郎女・中将姫さまが写経の功徳によって目の当たりにした極楽浄土の光景を壮大な規模で表したもので、中将姫さまを常に守護し、導いた守り本尊「導き観音さま」とともに今も多くの人々のよりどころになっています。
推古天皇20年(612)、用明天皇の第3皇子である麻呂古(麻呂子・まろこ)という親王さまが、兄である聖徳太子さまの教えによって「万法蔵院(まんぽうぞういん)」を建立したのがはじまりとされています。いくつか異説がありますが、現在、大阪府太子町に「万法蔵院跡」と伝承される場所があります。万法蔵院のご本尊は弥勒さまとする史料と、救世観音さまとする史料があります。