飛び出せ山代風我!第10話
第10話
特にココにこだわった注目ポイント
全体を通してテンポのメリハリ感です.
コメディとシリアスドラマがいい塩梅に入っていたので各々のシーンでギャップ感が出たと思います.
特に前半のホワイトボードあたりのテンポ感はうまく行っていると思います.
第10話は特に心の距離感や反応の違いをタイミングや絵でしっかり表現しようと思いました.
オカルンとモモ,モモとアイラのように三者三様の関わり方の違いやリアクションの差が違っていていい感じだと思います.
特にアイラにとってはこの話数がターニングポイントだと思うのでアイラに寄り添って見せ方には気をつけました.
教室でのシーンも孤独感を絵で表現しようとしました.
画面に映るアイラの専有面積が狭く,窮屈な印象になっていたり,人に挟まれて窮屈で本心とは違う方向に話が進んでいくもどかしいような感覚など,友人たちも蜘蛛の子を散らすようにいなくなり,薄情さと言いますかそんなコミュニティで表面的な関わり合いしかしてこなかったような印象にしています.
これは彼女が本心から付き合ってこなかった結果であり,モモ・ミーコ・ムーコの3人トリオとは対照的な関係性です.
ここから一歩を踏み出すアイラ.
この出来事は彼女の心の大きなターニングポイントでもあるので,それがしっかり画面に出るように設計しました.
その後のモモとの交流では,お互い距離のあるレイアウトであったり,横並びのようなレイアウトにしています.
モモとアイラも実は性質としては似たもの同士なのでそうしているところもありますが,このシーンの主役はアイラの心ですから彼女からモモの表情が見えないように設計されていたり,彼女からモモが遠く感じるようなレイアウトになっています.
相手が気になる,心を開いて歩み寄りたいけど,強がってしまう.
そんなアイラのもどかしさが画面から伝わると嬉しいなと思っています.
細かすぎる!?個人的な見どころ・お気に入りについて
ドーバーデーモンの回想シーンで流れていた曲は「この星のために」というリゲインのCMで流れていた曲です.
前回の第9話でも有名なリゲインの曲を歌っていましたが,あちらは経済的に元気の良かったバブル期に流れていた曲で,今回の曲はバブルが弾けた後に流れていたリゲインのCMで流れていた曲です.
ドーバーデーモンの気持ちに合わせたかったので歌ってもらいました.
続いて保健のシーン.
原作には全裸剣闘大会と書いてグラディウスと読ませる見せ方がありました.
これは文字を画面に出さないと分からない内容です.
本作はただ単に画面に文字を出す演出方法はとっていなかったので頭を悩ませました.
ちなみに女王先生の首からぶら下げている名札の写真が好きです.
次のカットと同じ演技になっています.
多分この先生は証明写真を撮るときに椅子とムチを持っていっているだろうなと思ったのでそうしました.
田中真弓さん,今回もターボババアのセリフが少なくてすみません.
寿司の取り合いのところが弾けていて面白かったです.
前の話数になりますが,マスコットになる前のターボババアがドスが効いていて大好きです.
マスコットになってからの声の落差が大きくて最高です.
ありがとうございました!
第5話の時も言いましたが,このキャラクターがいるおかげで本作のギャグでやってもいい幅が広がっています.
声部分でも大きく膨らませて頂いてありがとうございます.
若山さんもありがとうございます.
中庭のシーンのアイラとの距離感が素晴らしかったです.
モモの多面的な性格を的確に表現してくださったと思います.