小論文の書き方
1. テーマを深く理解する
出題意図を把握:問題文やテーマを丁寧に読み、求められている内容(意見、分析、提案など)を確認。
キーワードを特定:テーマに含まれる重要な単語や概念をピックアップし、それを中心に考える。
視点を明確化:賛成・反対、原因・解決策など、どの観点から書くかを決める。
2. 構成を事前に設計する
小論文は論理的な構成が重要。以下の構成を基本に:
序論(導入):テーマの背景や自分の立場を簡潔に述べる(全体の1/5程度)。
本論(展開):主張を裏付ける根拠や具体例を2~3つ提示(全体の3/5)。
例:データ、歴史的事例、身近な経験などを活用。
論理の流れ:主張→根拠→具体例→結びつけ。
結論(まとめ):主張を再確認し、未来への提言や展望で締める(全体の1/5)。
時間配分:全体の10~15%を書く前に構成案(アウトライン)作成に使う。
3. 論理的で説得力のある文章を
PREP法を活用:
Point(主張):結論を先に述べる。
Reason(理由):なぜそう考えるか。
Example(例):具体例で補強。
Point(再主張):結論を繰り返す。
接続詞を効果的に:「したがって」「一方で」「例えば」などを使い、論理の流れを明確に。
客観性を保つ:感情的にならず、事実やデータに基づく記述を心がける。
4. 読みやすい文章を意識
簡潔な表現:一文は30~40文字以内に。長すぎる文は分割。
段落分け:1段落につき1つの主張。3~5文で構成。
漢字とひらがなのバランス:漢字が多すぎると硬くなるので、適度にひらがなを混ぜる。
禁止表現の回避:「絶対」「必ず」などの極端な言葉は慎重に。代わりに「~と考えられる」「~の可能性がある」を使う。
5. 具体例を効果的に使う
身近な例:日常生活やニュース、歴史、文学などから引用。
データや統計:正確な数値や出典がわかると説得力が増す(例:「2023年の調査では~」)。
多角的視点:一方の意見だけでなく、反論や異なる視点を軽く触れると深みが出る。
6. 時間管理と推敲
時間配分例(60分の場合):
テーマ分析・構成:10分
執筆:40分
見直し:10分
推敲のポイント:
誤字脱字、てにをはの確認。
主張と根拠が一貫しているか。
テーマから逸れていないか。
7. 練習とフィードバック
過去問を活用:志望校や類似テーマの過去問で練習。
添削を受ける:教師や友人、オンラインツールで客観的な意見をもらう。
模範解答を分析:優秀な小論文を読み、構成や表現を学ぶ。
8. よくある失敗と対策
テーマから逸れる:問題文を何度も読み返し、キーワードに沿う。
抽象的すぎる:具体例やデータを入れる。
意見がない:自分の立場を明確にし、中立すぎる記述を避ける。
時間切れ:事前に構成を決め、時間を意識して書く。
実践例(構成のイメージ)
テーマ:現代社会におけるAIの影響
序論:AIの普及とその影響の重要性を述べ、自分の主張(例:AIは利便性を高めるが、倫理的課題も生む)を提示。
本論:
1. 利便性の向上(例:医療診断の精度向上、自動運転)。
2. 倫理的課題(例:プライバシー侵害、雇用の減少)。
3. 解決策の提案(例:規制の強化、AIリテラシー教育)。
結論:AIの利点を最大化しつつ、課題解決に向けた社会全体の努力が必要。
補足
文字数厳守:指定文字数の8~9割を埋めるよう心がける。
独自性を出す:ありきたりな意見でも、自分の経験や視点で個性を加える。
試験会場でのコツ:落ち着いて問題文を読み、メモを活用して思考を整理。